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詳しいことは後日話す、と通話を切られた数日後。休日の昼下がりのカフェで落ち合った狭霧から聞いた話はこうだ。
まず数年前の飲み会で相席した「ばくごうくん」の職業はプロヒーローらしい。
当時からプロとしてヒーロー活動はしていたが、その頃は素顔はそこまで出回ってなかったので、あの場で彼と知り合った人達はほとんどそれを知らないだろうとのこと。
そして彼は今、広くてしっかり防音の効いた部屋を探しているそうだ。私生活をマスコミに撮られにくい郊外で。
いま住んでる単身者用の物件がもうすぐ契約更新だけど、今度はもう少し広くて部屋の多い物件でトレーニングルームを作りたいらしい。
通勤は車だから、駐車場が無いところが多い都心はむしろ嫌。
お金がない訳ではない(むしろ同年代と比べればかなりある方だ)けど、“都心だから”という理由だけで土地代として無駄に高い家賃を払うのはムカつく。
それならもっと広くて使い勝手のいい部屋で自由に暮らせて、しかも車で生活しやすいエリアに安く住んだ方が合理的。
……というのが彼の主張だった。
当然ながら全て狭霧を通しての話なので、実際彼がどんなニュアンスでそれらを語ったのかは分からない。
そもそもあの飲み会の後も狭霧とばくごうくんが繋がっていたことに驚いた。
とにもかくにもばくごうくんからその話を聞いた狭霧は、郊外のそれなりに高級なマンションで、広々とした部屋を持て余している私の存在を思い出した。
「狭霧と同居しても絶対変なことにはならないけど、やっぱ世間体がねー」
恋人達の同棲でもない男女の同居って下世話に勘繰られるよね、というのが私と狭霧の見解で。
そこで、逆にヒーローなら女と同居どころかプライベートそのものが隠されて然るべきなんだから誰にも疑惑の目は向けられないだろう、と狭霧は考えたらしい。
なんならヒーローは緊急出動も含めて家事に時間を割きにくい。常に在宅ワークのフリーランスの人間が家にいるというのはありがたいことなのでは？と。
家政婦モドキなんてやんないからね、なんて小言を返しつつ、仕事の集中力が切れたら家事を進めるようにしてる私の存在は、確かに都合がいいだろうなとも思った。
とはいえ、それがまさか実現されるとは。
「……まーそれならありがたく。これ買うと意外と高いんだよ」
「フン」
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小川優(プロフ) - めっちゃ面白かったです!ラブラブしすぎないところがよかったです!!!!!久しぶりにいい作者様に出会えました! (2022年8月9日 7時) (
レス) id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅ(プロフ) - 「惚れた貼れた」から読ませていただいている者です！いつも素敵なお話をありがとうございます(T_T)かっちゃんと「何か言わずとも分かる」距離感のお話は初めて読んだので、2人を暖かく見守ってるような気持ちでした…♡Part2も楽しみにしてます…！！ (2022年2月23日 9時) (レス) @page31 id: d51b99dca2 (このIDを非表示/違反報告)
えななん(プロフ) - めちゃよかったです！後日談楽しみにしてます！ (2022年2月20日 22時) (レス) @page31 id: 15071f4cc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とろろ | 作成日時：2022年1月28日 1時
