第一話 魔法界からの招待状 ページ4
黄色味がかった封筒の表には、Hの文字を囲むように獅子、蛇、穴熊、鷲が並ぶエンブレムがある。
裏返すと、宛名があった。
日本国、〇〇県××市△△町26-5
玄関
A・A殿
封筒を開け、中身を取り出して読むと、ホグワーツ魔法魔術学校なる所からの入学許可証だった。
「あの……あなたは一体何者ですか？」
「わしか？ わしは魔法使いじゃ。そして、君も魔法使いの素質がある。ミス・A、君をホグワーツに歓迎する」
私はポカーンと口を開けた。
え？ 魔法使い？ 魔法使いって、おとぎ話の中の人じゃないの？
「えっと、本当に私は魔法使いなんですか？」
「そうじゃ。信じられんかの？ うーむ、例えば君の周りで何か不思議なことが起こったことは？」
私はすぐに思い付かなかったが、お母さんがハッとした顔をして、
「もしかして、Aが小さい時、木から落ちそうになって、宙に浮いたんです。まさか、そのこととか？」
「まさしくそれじゃ。この子の周りで何か不思議なことが起こったのは、ひとえに彼女に魔力があったからですよ」
ダンブルドアさんはキラキラと目を輝かせた。
「でも、私信じられないです。まさか私が魔法使いなんて」
「最初は誰でもそう思う。少しずつ慣れてゆげば良いんじゃよ」
お父さんが私の肩に手を置いて、微笑んだ。
「A大丈夫だ。お父さんたちは家族に魔法使いがいるなんて誇りだよ」
「ありがとうお父さん」
私はダンブルドアさんを真っ直ぐに見つめると、
「私、ホグワーツに入学します」
「よろしい。では早速入学準備をせねばのう」
「あの、学用品はどこで手に入るのですか？ あとお金はどうすれば……」
「ああ心配には及ばぬよお父上殿。全て手に入る場所を知っておる」
ダンブルドアさんはそう言うと、私たちに準備を促した。
「えっ、今からですか？」
「そう、善は急げじゃ。ささ、早く」
慌てて身支度を整えると、ダンブルドアさんは私たちに
「しっかり捕まるように。ワン、ツー、スリー！」
へそが引っ張られる感触がした後、いつの間にか家ではなく、どこかの店の裏側に来ていた。
私も両親も驚いて、口が塞がらない。
「今のは？」
「ポートキーじゃよ。さあ、参ろうか」
ダンブルドアさんがレンガの壁を杖で叩くと、レンガがひとりでに動き、アーチを作る。アーチの向こう側には店が並び、とても賑わっていた。
「ようこそ、ダイアゴン横丁へ！」
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作者名：オムとセナときどきパール | 作成日時：2020年2月24日 16時
