第四話 黄昏の少年 ページ24
とか言いつつ、絶対確信犯だ。二人ともニヤニヤしてるのバレてるから。
カボチャジュースで残りを流し込み、私は席を立った。二人もついてくる。
大広間を出るとき、レイブンクローの女子生徒に小声で「調子に乗らないことよ」と脅された。
調子に乗っているなんて、心外だ。
私は沢山の嫉妬のこもった眼差しを無視して、大広間を出ていった。
今日も大変な一日が始まると思うと、ため息が止まらない。
平和に過ごせると良いんだけど。
廊下の窓から見える外の天気は、曇り。何だか、天気もこれから始まる一日も、雲行きが怪しそうだ。
私は、また一つ、ため息をこぼした。
トム・リドル。
容姿端麗、成績優秀、品行方正……他にも上げたらキリが無い。まあ、一言で言うなら、優等生。
初回の授業からずっと、スリザリンの得点を稼いでいる。教授陣からの信頼も厚く、何よりその容姿。
艶のある黒髪に、切れ長の黒目、薄い唇、スッと通った鼻筋。それらのパーツが計算されたように、完璧な位置につけられている。まさに良くできた人形のようだ。それでいて、頭も良く、寮関係なく接し、その動きは洗礼されていて、そつがない。
入学してから、寮、学年問わず、ホグワーツ中の女の子たちが彼にゾッコンだ。謎めいた生い立ちも、プラスになっているみたい。
彼が私に何の関係も無かったら、まだ良かった。
実際は、唯一ホグワーツで彼と仲が良い女の子として、嫉妬の嵐に
セシルとエミリーが友だちじゃ無かったら、私は女の子たちの嫉妬に耐えられなかっただろう。
ただでさえ、最近は目に見えた嫌がらせが多くなってきた。
楽しい学校生活……とは言えない空気になってきているのが現状なのだ。
「疲れた……」
薬草学の温室の作業台に突っ伏して、私はため息をついた。
「お疲れ様」
セシルが背中を撫でて、
さっきの変身術の授業の後、グリフィンドールの女子生徒に絡まれたのだ。曰く、トムとは関わるな、とのこと。
下らない、と切り捨てて無視したものの、背後から呪文を飛ばされて追いかけられた。それを避けながらやっと温室に辿り着いたのだ。
「まったく、しつこいわね。今度Aにちょっかい掛けたら、クラゲ足の呪いをかけてやるわ！」
「ありがとうエミリー。気持ちだけで充分よ」
今にも、呪いをかけに行きそうなエミリーを
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作者名：オムとセナときどきパール | 作成日時：2020年2月24日 16時
