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「 マジでさ、お前次の飲みは来いよ？ 」
「 ごめんって 」
「 Aがシフト出す前に予定立てなきゃ 」
「 一応、14日までに出す決まり 」
「 じゃあさ、来月の〜〜 」
次の飲み会の予定を立てるべく、ワイワイ盛り上がる向かい側の三人。その間、一言も喋らない佐久間くん。あれ、複数人だったら大丈夫なんじゃなかったっけ……？そっと隣に視線を送ると、彼も此方を見ていたのか目が合って、直ぐ逸らされてしまった。
昨日の帰り、家までの道程で結構頑張って喋った、よね？少しでも前進した気がした関係性、実はそうでも無かったって事なのかな。なんかちょっと、ショックかも。
( ……ショック？ )
「 なぁ、お前ほんとに佐久間？ 」
「 えっ？ 」
「 いつものうるせーのはどこ行ったんだよ 」
「 佐久間が静かとか、明日天変地異でも起こるんじゃない？笑 」
「 なっ、失礼すぎんだろ！！静かな時くらいあるわ！！ 」
あ、あの佐久間くんだ。何時も遠目にしか観測出来なかった、本来の佐久間くん。新鮮だなあって見つめていたらまた目が合って、バッと逸らされた。……さっきより、勢いが良いな。
「 え、お前ら仲直りしたんだよな？ 」
「 それ、宮ちゃんにも聞かれたよ。別に喧嘩してた訳じゃ無いから 」
「 あそーなの？でも昨日佐久間、俺絶対久世さんに嫌われてる……って泣いてたけど？ 」
「 え 」
「 バカ、言うなって……！！ 」
突然のふっかの暴露に対して、咄嗟に出てしまった言葉だったらしい。ハッとした表情の後、今度は勢い良く此方を向く佐久間くん。彼のピンク色の髪の隙間から覗く白い耳が、ほんのり赤く染まって行くのをしっかりとこの目で見てしまって、また聞こえて来たあの大きな音。
……私の中の、音？
「 あの、ね。俺にとっては、そんだけ深刻なことだったって感じ、で……引かないで、欲しい、 」
「 えっ、あ、うん。引かないよ、全然 」
「 絶対引いてんじゃん…… 」
「 え！何で、引いてないよ、ほんとに。ビックリしただけ 」
「 ……ビックリ？ 」
「 それぐらい、仲悪いの嫌だって思ってくれたんだなって。私も、高校の時から佐久間くんの事引っ掛かってたから、 」
同じで、嬉しい。
自然と言葉になって口から出た後で、ストンと腑に落ちた。そう、嬉しかった。嫌われてなくて安心しただけ、じゃなくて、もう一つ先の感情が湧き上がって来たんだ。
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作者名：瀞 | 作成日時：2024年2月28日 0時
