鳥海さんちの妹さん

事故 ページ9

それは次の現場に向かおうとした時のこと。




『えっと、次は...』




信号待ちをしていた私は現場の地図を頭に描きながら青に変わるのを待っていた。




「危ないっ！」






そんな、隣の人の声が聞こえた瞬間、強い衝撃が走り、私の意識は途切れた。









鳥海side

森川「Aちゃん遅いね。」




「迷子にでもなってるんですかね」



普段はもう来ている時間を過ぎても現場に到着していないA。


森川「おっと、電話...ごめん、ちょっと出てくる」



森川さんが電話で出ていったため仕事かな。なんて呑気に思っていた。



森川「浩輔！Aちゃんが！」


「落ち着いてください！Aがどうかしたんですか？」


森川「事務所から、連絡があって...」


森川さんから聞かされたのはAが飲酒運転のトラックに轢かれ、病院に運ばれたという事だった。



「どこの、病院ですか」


森川「ここからすぐの○○病院だけど...浩輔！？」





病院名を聞いた瞬間走り出し、病室へ駆け込んだ。



「A！」




想像していたよりも、酷くは無いものの目の開かないA。





「ごめん、兄貴なのに、A守れなくて、次は、守るから、だから...」





『...ん』




「A？」




『お兄ちゃん...？なんでここに？』




「お前が事故にあったって聞いて、スタジオから慌てて来た。」




『そっか、事故にあったのか...ってお兄ちゃん泣いてる！？』




「大事な妹が事故にあったって聞いて泣かない兄貴がいると思うか？」




『んふふ、お兄ちゃんのそういう所も大好きだよ。』




「知ってる(笑)」





『来てくれてありがとう。お兄ちゃん。』

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