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Ω、αの拒絶反応は一応俺の知識の中にあって
番を失った丈さんの今の状況は
直ぐに理解ができた。
丈「言い訳や思って、流して。
俺はもう、ここには居れへんねん。」
流星「丈さん。」
丈「人傷つける警察官なんか、
最悪や、なぁ…」
俺の足を見た丈さんが、
自虐の笑みを浮かべる。
まぁ、警官も今日まで。なんて
んなこと、言わんといてよ。
流星「…あかんよ。」
丈「…おん…」
丈さんを逃がす訳にはいかんねん。
この事件には、
これからのこの街には、
絶対に丈さんが必要なんや。
……やから、
やからね、丈さん。
流星「貴方を
終わらせる訳にはいかないんですよ。」
丈「俺はもう終わった。」
流星「終わってない。」
丈「もう無理なんやって。」
流星「俺が終わらせへん。」
…勝手に終わったり、
勝手に逃げたりしんといて。
流星「俺には丈さんが必要なんです。
丈さんが居らんと駄目なんです。」
丈「他にもっと居る、
綺麗な人間がもっと居るよ。
俺みたいなボロ、もう要らんねん。」
流星「破れてていいんです。」
この世はみんなボロボロやけど。
でも、汚れとほつれは違うんや。
流星「ボロなんかやない。
丈さんは綺麗なままやもん。
世界一綺麗なんやって、みんな知ってます。」
人を触れない、
触れば傷つける。
そんなの知らない。
俺は知らない。
知らんぷりしとくから。
流星「約束してください。
家で待ってる清い存在で繕って、
そして、帰ってきてください。
1年後、ここに帰ってきてください。」
丈「……、。」
流星「俺は丈さんに、何もされてません。」
俺は最低だ。
俺は酷な人間だった。
俺はこうして、
この人を求めた。
流星「俺は何も言いません、
何も知りません。
でも、俺は
絶対に丈さんを逃がさへん。」
俺が、丈さんが、和也くんが。
必要とした丈さんを求めた。
そんな5年前の記憶。
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作者名：まつだいら | 作成日時：2022年5月21日 20時
