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星空「つかれた〜！」
丈「久々に打ったわ。」
飛鳥「パパすごかったな！」
大吾「ほんま、加減してや笑」
あれから丈くんの打った球を1時間捜索して、
もう時刻は夕方。
そろそろ家に帰ろうと、
舗装された公園内の道を4人で歩いていた。
12月の日暮れは冷える。
俺は星空の、丈くんは飛鳥の手を
寒いなぁと握りしめていた。
小さなジャンバーの中から飛び出す白い手。
すべすべで、小さくて、温かい手。
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───ほら、かずや！かえんで
───まってぇや、にいちゃん！
───かずや、歩くのおそいねんから…手ぇつなご
───ん、にぃちゃんと手ぇつなぐ〜！
小さい頃、引っ張り回した手。
5年前のあの日、握りしめた冷たい手とは違う。
熱い血の巡る、和也の手に
似てんなぁ……って。。
・
小さな歩幅に合わせて歩く。
可愛い大股は俺たちの半歩。
俺から見えるのは、黒の中の小さなつむじ。。
・
丈「…あすか？」
と、隣を歩いていた飛鳥が急に立ち止まる。
飛鳥「…パパ、だっこ。」
丈「……え？」
飛鳥「つかれた、あるけへん〜、…！」
飛鳥の我儘に、丈くんが固まった。
俺の手を持った星空は
丈くんと飛鳥を交互に見た。
飛鳥「だっこ…」
丈「……、…」
繋いでいた手を引いて揺さぶる飛鳥を、
丈くんはどういう目で見つめているのか。
俺には黒しか見えなかった。
大吾「……あすか？」
飛鳥「…、ん〜…」
大吾「おいで、だっこしよか？」
星空「ほな、おれがパパと手ぇつなぐ〜！」
星空の手を丈くんに頼み、
俺は両手で飛鳥を抱き上げた。
飛鳥「…ん〜…、ねむい…」
大吾「うん、つかれたなぁ？」
首をこてんと俺の肩に預けて、
目はもうほぼ開いていない。
背中をとんとんと叩くと
耳元にかかる息。
丈「……、ありがとな。」
大吾「全然ええよ〜笑」
星空「あすか、赤ちゃんや〜笑」
あっという間に寝てしまった飛鳥。
丈くんは歩きながら、
丈「かわえぇなぁ……。笑」
その寝顔を見て笑った。
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作者名：まつだいら | 作成日時：2022年5月21日 20時
