貴方の綴れに生命の音を (ページ29)

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藤原side

その後、昼を食べに

恭平と謙杜の待つ“ほとけのざ”へ向かった。

大吾「店行くん、久しぶりかも。」

丈「ほんま？」

大吾「たぶん、半年ぶりくらい。」

俺が運転する車の中でそんな話をしながら、

15分程で到着。

丈「ほーい、降ろしまーす」

星空「おろされま〜す！」

チャイルドシートのベルトを外して

星空は自力で降り、大吾が飛鳥を降ろす。

星空「おれがさき！」

飛鳥「まって！」

地面に足が着いた瞬間から

店の扉までの追いかけっこが始まって、

丈「こけんなよ〜！」

……茶色い木の扉を、2人が押し開けた。

恭平「いらっしゃいませ！」

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・

恭平たちが用意してくれたのは、

フレンチのコース。

大吾「…おいしい笑」

飛鳥「おいし〜い！」

星空「きょーへーにぃちゃんすごいなぁ！」

内容は、

和也が考えたものと変わらない。

いつかの夜、リビングのテーブルで

リングノートに綴っていたレシピと同じ。

丈「美味い…笑」

・

大吾「飛鳥。ここ、付いてんで？笑」

星空「おれがとったんな？」

飛鳥「ん、とって〜！」

丈「ふはっ笑…星空、広がっとる！」

・

───敷居は高ない方がええ。

───ただ、味に妥協はせぇへんよ。

───美味しい料理、
ガハガハ笑いながら食べれたら最高やん？

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星空「これ、おかわり！」

丈「おま、おかわりて笑」

恭平「ええっすよ、まだあるし！」

飛鳥「おれもほしい！」

大吾「え！じゃあ俺も！」

恭平「了解です。謙杜〜！」

謙杜「は〜い！もう準備してます！」

恭平「ありがと〜笑 ……丈さんは？」

丈「…ほな、俺も貰おかな。笑」

・

6人だけの店内で、

みんなで馬鹿みたいに笑って

満足いくまでたらふく食べた。

和也が聞きたがっていた、

店に響く笑い声。

これは、遠かっても

届いてるとええなぁ…。

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