貴方の綴れに生命の音を (ページ3)

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『PrrrrrPrrrrr……』

飛鳥「パパ！おでんわ！」

飛鳥の声にハッとして顔を上げると

星空の手の中で

俺のスマホがブルブルと震えていた。

丈「あー、ほんまや。ありがとうな笑」

それを受け取ると

2人の頭をわしゃわしゃと撫でながら

俺は応答ボタンを押す。

2人はまたニコニコ顔で

ケーキの前に腰掛けた。

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丈「もしもし？」

電話の相手は、

『もしもし？丈くん？』

俺の義兄。

丈「大吾、どないした？」

大吾『今日飛鳥の誕生日やろ？

おめでとう言いたくて掛けてもうた笑』

ふふふ、と笑う大吾。

その笑顔は見えなくとも

ありありと思い描けた。

飛鳥「だいごにいちゃん！？」

星空「おれもはなしたい！！」

俺の発した“大吾”に反応した2人が

足元に群がってくる。

丈「ちょっと代わるわ」

ぴょんぴょんと飛びながら催促する飛鳥に

ほい、とスマホを渡した。

順番こな？と、星空に諭して。笑

うん！うん！と大吾の言葉全てに

いちいち相槌をうつ飛鳥。

待てへん、とばかりに

スマホから漏れる声に耳をすます星空。

……そんなに話したいか笑

ちょっと貸して、と

一旦スマホを返してもらって

スピーカーマークを押してから机に置いた。

丈「これで、2人で話せるで。笑」

そう言えば、2人同時に喋り始める始末。

大吾『2人とも、順番こな？笑』

どっちにしろ同じこと言われるんやな笑

俺は、ケーキは電話が終わったら食べようと

先に空になった料理の皿を片付けた。

この皿は返さなあかんやつやから

別で洗っとかな、分からんなるんよ。

ハンバーグソースを水でざっと落とすと

スポンジに洗剤を付けて泡立て、

表面から洗っていく。

全体を擦ったところで泡を落とすと

洗う前、ぬるぬると滑った指は

キュッキュと軽快な音を鳴らした。

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