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この歳での独立は流石に勇気がいった。
ずっと悩んでた俺が決断する、
そのきっかけをくれたのは丈くんだった。
背中を押してくれてありがとう。
尻を叩いてくれて、ありがとう。
色んな感謝の意を込めて、
俺は丈くんにキスをする。
丈くんは、
俺の額から頬、首筋にかけて指を添わせ、
最後に、噛み跡の付いたうなじを
つっ…と撫でた。
丈「……和也。」
和也「…ん…、、？」
唇を離して、見つめ合うと、
丈くんが俺の名前を呼ぶ。
丈「俺な…、和也がお店開きたいって言った時、
めっちゃ嬉しかってん。」
…俺は、丈くんの肩に両手を置いた。
丈「高校の時…和也、
夢は無いし、
将来はぼんやりやって言っとったやん。
でも今はこんなでっかい夢、
叶えようとしてんねんで？」
…丈くんは、俺の腰に手を回した。
丈「俺はそれ、めっちゃ嬉しかったし。
1番の理解者で、
1番の協力者でありたいって思った。」
俺は次に片手を、
さっき丈くんが撫でたうなじに置く。
首の血管はどくどくと脈打っていて、
滾るように熱かった。
…これは、
丈くんと俺の体温や。
和也「うれしい、ほんま嬉しい…、
…俺いま、めっちゃ幸せ。」
丈「まだ早いわ、店も出来てないねんから笑」
丈くんが回していた腕を引き寄せる。
俺は丈くんに飛び込み、鼻口をその首筋に当てた。
丈「和也の店ができたら、
俺も客として行ってええ？」
和也「当たり前やん。
1番目のお客さんは丈くんって、
俺決めてんねん。」
もうすぐ出来る、俺の店。
もうすぐ叶う、俺の夢。
丈「…一緒、幸せなろうな？」
和也「うん。笑」
丈くんを抱きしめ、
丈くんに抱きしめられた。
これからはじまる、幸せな未来に
ふたり、胸を踊らせながら。
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作者名：まつだいら | 作成日時：2022年5月21日 20時
