貴方の綴れに生命の音を (ページ14)

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丈side

丈「おはようございます。」

9時、10分前。

職場に到着すると、スーツから制服に着替える。

上司からの指示を得て

その他諸々、朝の点検を終えると

いつもの扉をがちゃりと開けた。

・

丈「おはようございます」

パソコンと紙類が入り乱れた一室では

同僚数人が、もう職務にあたっている。

「あ、おはよ〜ございます。丈さん。」

丈「お〜、おはよう。流星。」

そのうちの一人、

こちらに歩いてくる後輩は

欠伸をして、目を潤ませていた。

丈「大丈夫か？」

流星「昨日の夜の件、

結構長引いて。全然寝れへんかった……」

丈「あ〜…、、」

・

大阪府警生活安全課少年係

主に青少年の犯罪を取り扱う。

そして俺はそこで働く巡査部長。

・

丈「それはもう、ほんまにごめん。」

昨日の夜。

俺が早引けして

家で飛鳥のバースデーパーティをしていた時

うちの管轄で少年による傷害事件があった。

いつもなら家ほっぽり出して現場直行なんやけど、

上司やら、それこそ流星が

今日は家に居てやれと言ってくれて

昨日の夜は
久しぶりに子どもたちとゆっくりできた。

そしてその代償が、今流星に来てる。

流星「いや、家族は大事にせな。

全然だいじょ〜ぶです！笑」

ぐい、と力こぶを作るような動作をし、

にこりと笑う顔には、白い歯がよく映えた。

丈「ありがとな、どっかで埋め合わせする。」

手を合わせてぺこりと謝ると、

ほぉ〜と俺を舐めまわすように見た流星が

いたずらっ子のような笑みを浮かべて。

流星「…んなら、お願いしよっかなぁ〜？」

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