貴方の綴れに生命の音を (ページ2)

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丈side

星空「あすか〜！たんじょうびおめでとう〜！！」

丈「おめでとう！！」

5本のロウソクが立ったケーキを囲んで

俺たちはハッピーバースデーを歌った。

飛鳥「ありがとぉ笑」

にこにこの笑顔でその火を吹き消す

我が家の次男。

早く食べたいと、

キラキラした目でそのケーキを見つめる長男。

丈「包丁持ってくるから、ロウソク抜いとって〜」

星空「わかった！あすか、いっしょやろ〜！」

飛鳥「ん！」

仲良くロウソクを引っこ抜く2人。

俺はキッチンの引き出しを開けて

数ある包丁の中から、ケーキナイフを取り出す。

そして、後ろの食器棚から皿を4枚。

縁が飾られた、ケーキ用のもの。

設備の充実したこのキッチンには、

きっと俺が使ったことの無いものもあるんだろう。

星空「パパ！はよ切って！！」

飛鳥「はやく〜！」

丈「わかったわかった、ちょお待って笑」

急いでダイニングまで戻り、

かちゃんと皿を置いた。

飛鳥「ちゃんと同じおおきさにして！」

丈「はいはい笑」

2人から

曲がってるだの、こっちの方が小さいだの

横槍を入れられながら、

綺麗に4等分。

丈「お皿出して」

星空「はい！」

丈「こら、飛鳥からやろ？」

飛鳥「せやで、きょうおれのたんじょうびやもん！」

星空「ちぇ…」

まずは飛鳥からどれがいいか選ばせて、

次は星空。

その次が俺。

そして最後は……

・

飛鳥「あ！、そのクッキーおれの！」

丈「あぁ、せやな、はい。」

切る時に避けていた

“あすかたんじょうびおめでとう”

のプレーンクッキー。

飛鳥の皿の端に置いてやる。

星空「食べてええ？？」

丈「ええよ、食べようか。」

飛鳥「いただきま〜す！！」

ニコニコでケーキに飛びつく2人を、

俺は同じくらいの笑顔で見つめていた。

・

今日で、5年。

これが、5回目。

飛鳥、もう5歳なったで。

来年は星空、小学生なるんやで。

すごいなぁ。

はやいなぁ……。

・