貴方の綴れに生命の音を 番外編

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和也「……丈くん。しんどくない？」




これが聞きたかった。


数日おきに変わる丈くんの声。

枯れていく甘い声に不安を感じていた。



丈『…………、、。』


和也「じょうくんっ…、は

ひとりで泣いたりしてへん…？」



丈くんの心が知りたい。

丈くんが言ってくれなければ分からない、

丈くんの心の声が知りたかった。



丈『……どい…、』



再び流れた沈黙の後、

震えた声で丈くんが言った。



和也「………」


丈『…っしんどい、ときがある。』



鼻をすする音がする。


声が俺の鼓膜で震える。



丈『怒鳴られるのも、ペナルティも、つらい。

…、体力もたん、ときもある。

あと、なんか、おれ、っ…』


和也「…、うん。」


丈『かずやに、会いたくて

泣きそうなる、…日もある…、っ…』



あ、なんで。



和也「…うん、っ、うん…、」



……なんで俺も泣いてる。



丈『ごめん、、弱音、はかへん、て決めてた、…』


和也「俺が聞くから。、吐いて。全部、」


丈『…ん…っ、。』



抱きしめてあげたいのに、

どうしても抱きしめられない。


受話器に隔てられた俺たちは

お互いの場所でお互いを想って泣いている。



丈『しんどい、つらい、、…っ…

かずや、ごめん……っ、…』


和也「うん、、頑張ってる。丈くん頑張ってる。」



丈くんがいつも俺にかけてくれる優しい言葉を

今日は俺が丈くんにかけた。


撫でるような声。

落ち着く声。


抱きしめられてるような、包容力ある声。。




和也「次の連休、会える？」


丈『会える、。』


和也「それまで、頑張る俺。」


丈『俺も頑張る、…。』


和也「またつらいことあったら教えて。」


丈『ん…。』


和也「素直な丈くんかわいい。笑」


丈『……うるさいだまれ、』


和也「ひど、笑」



時間になって、電話が切れた。



涙も乾いた頃。


俺の不安も寂しさも、

少しずつ消えていくような気がした。



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