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和也「もしもし!」
応答ボタンを押すと共に声をかけると
丈『…、…もしもし、和也?』
電話の向こうから俺の知らない声がした。
和也「……丈くん、声ガラガラ。」
丈『あ゛〜、せやねん。喉潰してもうた。』
和也に負けへんくらいカッスカス、と
丈くんがガラガラ声で笑った。
和也「訓練、大変?」
丈『おん、まぁな。』
和也「そか…」
丈『和也は?寂しくて泣いてんちゃうん?笑』
和也「……泣いてる。」
丈『あ…、そうか。』
少しの沈黙の後、
丈くんがいつものように俺の近況を聞こうとした。
俺はそんな事よりも、
丈くんの声に気を取られていた。
丈『……、……かずや、?』
和也「…ぁ、うん、なに?」
丈『学校どう?』
丈くんの心が見えへん……?
大ちゃんの言葉が、俺の心にぴったりはまりそうで
でもすんなり落ちなくて。
丈『……かず、どないした?』
和也「うん。」
丈くんの気持ちが…………
和也「……丈くんが、見えへん。」
丈『え?』
俺には今、俺しか見えへん。
和也「丈くん、元気?」
丈『元気やで』
和也「ほんま?」
丈『……かずや?』
和也「丈くん元気やない。」
丈『なんで決めつけんねん。』
丈くんが少しイラついた声で言う。
俺は泣きそうになっていた。
和也「つらいならつらいって言ってや……」
俺はどんどん、丈くんが分からなくなる。
丈くんが丈くんを隠すせいで。
俺から丈くんが見えなくなる。
和也「俺は不安やないで。
離れとっても丈くんがお話聞いてくれる。」
きっと丈くんは、
俺のために自分の話をするのをやめた。
和也「でもつらい。」
丈『、…なんで』
和也「丈くんが1人で
しんどいの頑張ってるのがつらい。」
俺が居らんくても、丈くんは成り立つ。
それを突き付けられているように感じた。
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のあ - 頑張ってください〜!!更新待ってます!! (2023年1月21日 11時) (レス) id: c5462c43aa (このIDを非表示/違反報告)
まつだいら(プロフ) - のあさん» 遅くなりました!💦 今後もだいぶ更新する間隔が開くと思います……すみません!その分勉強頑張ります! (2023年1月20日 23時) (レス) @page42 id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 更新待ってます〜!! (2023年1月14日 13時) (レス) id: c5462c43aa (このIDを非表示/違反報告)
まつだいら(プロフ) - のあさん» 本日、更新予定です!返信遅くなりすみません💦本年もありがとうございました! (2022年12月31日 20時) (レス) id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 次更新するのっていつですか?教えてほしいです✨ (2022年12月31日 8時) (レス) id: d683609e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつだいら | 作成日時:2022年10月3日 20時