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丈side
朝目覚めたそこは、
俺たちの家のソファの上。
俺はひとつ欠伸をして、
時計を見た。
丈「……、、やば。」
時刻は9時30分。
星空の卒園式
そしてほとけのざへ行く約束の時間が
30分後に迫っていた。
目の前のローテーブルには
空になったジンジャーエールのボトルが
一本、静かに立っている。
……寝落ちしてもうた。
俺は立ち上がり、そのボトルを片付け始める。
ふと冷蔵庫を開けると
昨日から減っているのは一本だけ。
ラベルを剥がし、蛇口から水を出す。
ペットボトルのキャップが開けにくい。
水で濯ぐと網の上に伏せた。
はよ店、行く準備せな。
俺はその足で洗面所に向かう。
大胆についた寝癖は
ブラシで梳かし、落ち着いてきた。
洗面所での支度が終わると、
俺はクローゼットの前に足を運ぶ。
今日は仕事やないし、
ラフな格好で。
そう思っているのに、
俺はいつの間にかいつものスーツを纏っていた。
ネクタイが結びにくい。
さっきからどうも、
右手が使いづらくて仕方なかった。
何故だろう、と俺は自分の手を見た。
丈「……、…、、。」
俺の右手はいつからか、
萎びたホトケノザを握っていた。
丈「……これ……、。」
これは何か。
これはいつから。
何で今まで、気づかなかったのか。
……逆に俺は今、
何を思い出したのか。
丈「……みっちー…、、？？」
彼を、
今の今まで忘れていた。
昨日の夜、俺の全てを知った彼は
この家から姿を消していた。
気が付かなかった。
俺は忘れようとしていた。
“ゆっくり、眠ってええから……”
これは確かに、彼の声だった。
………、、
……思い出せ。
忘れるな。
何を聞いた。
彼は今日の俺に、
“何を託した……？”
丈「……目が…さめたら。」
和也の声が、俺に。
丈「さがして、みて。」
あの声が俺に、
丈「ホトケノツヅレ。」
伝えたかった事は。
丈「……俺の、、花…、？」
きっと答えは。
きっと俺が行くべき場所は。
ほとけのざ。
……“お前”の場所。
玄関扉は内側から
しっかりと鍵がかかっていた。
・
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まつだいら(プロフ) - Rioさん» コメントありがとうございます！また落ち着いたら、色々と書いていきたいです！読んでくださりありがとございました！✨ (2022年8月19日 16時) (
レス) id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - 主さんのお話大好きです！！ぜひ裏設定も読みたいです！！ (2022年8月18日 16時) (レス) @page45 id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
まつだいら(プロフ) - 莉里さん» ありがとうございます！オメガバは需要が少ないと思っていましたが沢山の方に読んで頂けて本当に嬉しかったです！また戻ってこれた際は是非、よろしくお願いします！ (2022年8月13日 6時) (レス) id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - 完結おめでとうございます。オメガ設定は数少ないので、とても好きな作者さん、作品のお一人です。いつか戻ってきてくださることを楽しみにしています。 (2022年8月12日 21時) (レス) @page45 id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
まつだいら(プロフ) - ayさん» ありがとうございます！読んでいただけて、温かいコメントも頂けて本当に嬉しいです！もう少しで完結ですので最後までお付き合いお願いします！ (2022年7月31日 0時) (レス) id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつだいら | 作成日時：2022年7月19日 19時
