貴方の綴れに生命の音を3

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星空を抱きかかえ、

逆の手ではジャケットを持ち


俺の隣で構える和也。



俺は和也が選んだ青のネクタイを締めると

そのジャケットに袖を通した。



丈「今日、病院やんな？」


和也「うん、午前中はじーこのとこ行って、

夕方お店行ってくる！」



今日は和也の定期通院の日。


丈「星空も連れてくん？」


和也「病院は一緒行くけど、

お店行く前に丈くん家にお預けします〜」


丈「ほな俺が帰るとき星空連れて帰るな。」




お店にはディナーの予約が入っているらしく、


夜は遅くなる、と。




丈「タクシー使えよ？」


和也「え？お散歩しようと思って。」


丈「あほ、この距離歩くのは流石にあかん！」


和也「なら、途中まで！タクシーで行く！

ちょっとだけ、歩きたいねん。気分転換！」


丈「ちょっとだけやで？

あんま無理したあかんから。」


和也「分かってる〜！」



カバンを持ち、

鏡で身だしなみのチェックをして


俺は和也と話しながら玄関へ向かう。



丈「帰りもちゃんとタクシー使って。

向こう出る時連絡してや？」


和也「ほい、了解！」



ずり落ちそうな星空を抱え直しながら

和也が笑って頷いた。



丈「んなら、行ってきます〜」


和也「ん、行ってらっしゃい。

ほらかなたも、パパバイバイ〜って」


星空「〜、ま、マ、マ！」


和也「いや今ママなんかい笑」


丈「ふはっ…笑

ええ子でな、かなた」


俺に手を伸ばす星空の頭をぽんぽんと撫でると、

家からの一歩を踏み出した。




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