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片手は腹に添えたまま
青年は手すりを頼りに立ち上がる。
「ごめんな、怖かったなぁ？」
来月にならなければ生まれてこない、
待望の次男に声をかけた。
「お前Ωやろ。気持ちわりぃな。」
「ごめんな、大丈夫やで。」
「男の妊婦とかほんまにおるんや。笑」
「ちょっと揺れたな、無理してもうてごめんな？」
「おいΩ、もっと野菜の話してみぃや。笑」
老婦人は、荷物も持たずに
這うようにそこを後にしていた。
少年の1人はその置き土産から
顔を出していた白ネギを抜き出し、
真っ二つに折ると投げ捨てた。
「……あかん言うてるやろ！！」
「お〜怖。笑」
青年の中では
怒りがふつふつと沸いていた。
しかしそれを制御できる
大人としての要素を彼は兼ね備えていた。
「……、、」
「なんやねん急に黙って。」
「怖なったんか？今更、笑」
青年は、元来た道を引き返すことに決めた。
落ち着いた所で、110番をしよう。
警察官の妻である彼の
冷静な判断だった。
「逃げるんや、笑」
先程必死で登ったスロープへ
彼は手すりをに手を添わせ歩いていく。
「アホか、逃がすわけないやろ。」
「ちょぉまてコラΩ！」
少年の1人が、青年を追いかける。
彼はスロープの前まで行った青年の
服を引っ張り己に寄せると
「もうええわ、お前。」
次は、突き飛ばした。
「…っ、、！」
身体のバランスが不安定な青年は、
よたよたとその場を彷徨い、
後ろに転げた。
「っ…、ぁ！！」
そこは、
スロープと反対側に作られた、階段。
不運にもそれは一度も折れることなく、
真っ直ぐと地面へ突き刺さっていた。
妊夫はどこにも掴まることは出来ず
生身の身体を打ち付ける。
「っ…う゛…、、！！！！」
何度回転したのかも分からないまま、
全身を角で殴打された青年は、
もう制御は出来ない身体を地に伏せた。
黒い地に赤を染み込ませながら
空を仰ぐ。
「…かな、…、、じょ、く…、」
その手は変わらず、
大きな腹を撫でていた。
しばらくして、
5時を伝えるチャイムが鳴った。
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まつだいら(プロフ) - Rioさん» コメントありがとうございます！また落ち着いたら、色々と書いていきたいです！読んでくださりありがとございました！✨ (2022年8月19日 16時) (
レス) id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - 主さんのお話大好きです！！ぜひ裏設定も読みたいです！！ (2022年8月18日 16時) (レス) @page45 id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
まつだいら(プロフ) - 莉里さん» ありがとうございます！オメガバは需要が少ないと思っていましたが沢山の方に読んで頂けて本当に嬉しかったです！また戻ってこれた際は是非、よろしくお願いします！ (2022年8月13日 6時) (レス) id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - 完結おめでとうございます。オメガ設定は数少ないので、とても好きな作者さん、作品のお一人です。いつか戻ってきてくださることを楽しみにしています。 (2022年8月12日 21時) (レス) @page45 id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
まつだいら(プロフ) - ayさん» ありがとうございます！読んでいただけて、温かいコメントも頂けて本当に嬉しいです！もう少しで完結ですので最後までお付き合いお願いします！ (2022年7月31日 0時) (レス) id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつだいら | 作成日時：2022年7月19日 19時
