7話 ページ8
お風呂を頂いて用意されたバスローブに着替え、予め案内されていた来客用の部屋へと戻る
西洋式のお風呂、スゴかった…
この御屋敷も別荘？ってくらい大きいし 相当なお金持ちなんだろうな… なんの仕事をしてるんだろう…
バフ！と大の字でベットに倒れ込めば、肌触りの良いシーツを手で撫でた
何気にベッドで寝るのも人生初だし…
あっ、昼間に気絶させられた時、雪代さんのベッドで寝かされたからこれで実質2回目か…
夕刻の取り乱しようからして、雪代さんのお姉さんを喪った心の傷は相当大きそうだ
両親はいるのだろうか…、一体、何歳の時にお姉さんを…
なんて、そんなことを考えるのは無粋か
途端、廊下に繋がる扉から コンコン、とノック音が響く
誰だろう？待たせるわけにもいかないし、急いで出なくては！
ベッドから飛び降りて 小走りで扉の前に立つ
ドアノブに手をかけた瞬間、バン！と勢いよく扉が開いて顔面に衝撃が走った
｢なんで…わたしが開けるまで待てないんですか…｣
｢ノックはしたダロ｣
同じくバスローブに身を包んだ雪代さんが、小脇に何か抱えて訪ねてきたようだ
鼻がすこぶるヒリヒリする
ペチャンコになっていないだろうか… と鼻を抑えていたら、ズイ、と綺麗に洗濯された小袖を渡された
｢これ…今日着てたやつ…｣
主自ら洗濯して渡しに来るなんて… 大金持ちなのにメイドとか雇わない主義なんだろうか
ここは、こんなにも広いのに雪代さん以外の人の気配を感じない
｢昼間は気が動転して姉さんの着ていた小袖にしか見えなかったが…
よく見るとやはり違う
…迷惑かけたな。
でも、本当に貴様を見つけた時、姉さんの生き写しにしか見えなかったんだ。｣
そう呟いて、背中を向けて去ろうとする雪代さんの腕を掴んで引き留めた
｢なんだ…！？馴れ馴れしく触るな｣
｢ちょっと、1つ提案があるんですけど…｣
無理はある。無理はあるが、こんな偶然なかなか無いと思うんだ
わたしの存在が人一人の心の傷を少しでも癒せるなら…
こんな広い屋敷に独りぼっち。お姉さんを喪った悲しみを背負い 生きていく
この年上なのに小さな子供のような男の人を、なんだか放っておけなくなった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 390人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽ - 実写映画を見て縁さん……♡となったのに夢小説がぜんぜん見当たらなくて泣いてたのでとっっっても大事に噛み締めて拝見させていただきました！！短編でも良いのでまた縁さん御相手のお話が読みたいです♡ (2023年3月7日 17時) (
レス) id: 3ffd0127b7 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 心の支えです。続き楽しみに待ってます…!! (2022年10月25日 1時) (レス) id: d1feb6ce39 (このIDを非表示/違反報告)
ももか - 48話まで一気に読ませていただきました。原作ともに真剣縁、実写映画も愛しているものです。続きも楽しみにいます。とてもステキな作品です。 (2021年6月25日 1時) (レス) id: cd77308074 (このIDを非表示/違反報告)
ぽき - 本当に本当に書いてくださってありがとうございます。最高です、、、 (2021年6月23日 22時) (レス) id: 26efc0f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
武山(プロフ) - unnkochanさん» ありがとうございます！映画派の方にも漫画派の方にも楽しんで頂けるよう頑張ってかきます！！"(ﾉ*>∀<)ﾉ (2021年6月17日 23時) (レス) id: ec0c3a6854 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：武山 x他1人 | 作成日時：2021年5月9日 22時
