25話 ページ26
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「本当に聞きたいのカ?」
「…はい」
一緒に夕食を食べた日から丁度1週間が経った
約束通り今日は雪代さんがどういう人生を歩んできたのかを教えてもらう
怖いもの見たさじゃない、ただ単純に知りたいからだ
小さく深呼吸をすると、「話してください」 と雪代さんを見つめた
「…元々俺達一家は江戸に住んでいて…、姉さんの許嫁が殺されて 姉さんは京都へ発った。それが全ての始まりだ…」
雪代さんはぽつりぽつりと話し始める
わたしはたまに相槌をうちながら、静かに雪代さんの話を聞いた
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半時間くらい経ったのだろうか
全ての話を聞き終わったあと、わたしは一言も声を発せれなかった
「俺の人生は、抜刀斎へ人誅を下すためだけにある
だから止めようなんてしたら、その時は黒星でも組織の部下にでも命じて貴様を殺すからな」
そう言い残し、雪代さんは部屋を出ていく
1人残されたソファの上で、わたしは雪代さんの話してくれた内容を何度もぐるぐると考えていた
雪代巴さんの許嫁を殺したのは、抜刀斎で…
抜刀斎に復讐するために雪代さんと雪代巴さんは闇乃武という組織に手を貸して
抜刀斎を陥れるため結界を張った 死の樹海に入れ違いで雪代巴さんも入ってしまい、
そのまま雪代さんの目の前で雪代巴さんは闇乃武のリーダー格と共に抜刀斎に切り殺されてしまう
雪代さんはその時のショックで髪が白髪に
そして抜刀斎ら維新志士が導く新日本に嫌気がさし、上海へ渡った…
壮絶、なんて言葉ではとても…
『止めようなんてしたら、その時は黒星でも組織の部下にでも命じて貴様を殺すからな』
先程雪代さんに言われた言葉が頭に浮かぶ
「止めるわけがないじゃないですか…」
ポツリと、小さく呟いた
抜刀斎へ やるせのない怒りを感じながら、その日は何もする気が起こらず、夜になるまでずっと同じ場所で 今は亡き雪代巴さんのことを考えていた
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ぽ - 実写映画を見て縁さん……♡となったのに夢小説がぜんぜん見当たらなくて泣いてたのでとっっっても大事に噛み締めて拝見させていただきました!!短編でも良いのでまた縁さん御相手のお話が読みたいです♡ (2023年3月7日 17時) (レス) id: 3ffd0127b7 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 心の支えです。続き楽しみに待ってます…!! (2022年10月25日 1時) (レス) id: d1feb6ce39 (このIDを非表示/違反報告)
ももか - 48話まで一気に読ませていただきました。原作ともに真剣縁、実写映画も愛しているものです。続きも楽しみにいます。とてもステキな作品です。 (2021年6月25日 1時) (レス) id: cd77308074 (このIDを非表示/違反報告)
ぽき - 本当に本当に書いてくださってありがとうございます。最高です、、、 (2021年6月23日 22時) (レス) id: 26efc0f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
武山(プロフ) - unnkochanさん» ありがとうございます!映画派の方にも漫画派の方にも楽しんで頂けるよう頑張ってかきます!!"(ノ*>∀<)ノ (2021年6月17日 23時) (レス) id: ec0c3a6854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:武山 x他1人 | 作成日時:2021年5月9日 22時