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敦side
「勿論、敦君のこれまであった出来事を否定してる訳じゃないよ」
Aさんは変わらず優しい瞳で思いを話している。何故だろう 不思議と見入ってしまう
「でも、人って不思議でね "自分が想像した通りの人間"になっていくの」
「…………ｯ!!!」
醸し出される独特な雰囲気
その熱い瞳は 太宰さんや織田さんを思い出される
「役に立つとか、相応しいとか今は考えなくて大丈夫」
「今、探偵社のみなさんは 敦君に"自信を持って仕事に望んで欲しい"と思ってるはずだから」
「自信を持って 敦君は自分が思っている以上に素晴らしい勇気と力を持ってる」
描いていた手を止めて 顔を上げると、この上なく穏やかに微笑んでいた
それは、太宰さんや織田さんがAさんの事を話す時に見せる顔によく似ていた
「はい……!!」
思わず手を握ると 優しく握り返してくれた
そんな小さなことが嬉しくて 涙が出そうだ
ひとつ、分かったことがある
Aさんは 常に"今"を見て生きているんだな
さっき死にかけた事も 明日には忘れていそうだ
「どうかな?」
「こ、これ僕ですか?」
見せられた絵は、手足が虎の僕と 虎の絵
「こっちは想像で描いたの。勇敢なる虎の戦士」
「これが…」
「想像だけどね」と笑っていた。太宰さんはきっとこんな姿の僕を救ってくれたんだな…
「Aさん、有難う御座いました。本当に」
「私もありがとう 素敵な絵を描かせてもらったよ」
「モデル料はいりません」
「え? でも」と言いたげなAさん。お金なんかよりよっぽど大切な事を教えてもらった気がする
「いいんです 本当に」
「それじゃあ敦君 お茶漬け好きだったよね?」
太宰から聞いてるよと言いながら、手元の紙に何かさらさらと書き ちぎって渡した
「あそこの蕎麦屋さんのお茶漬けは絶品だからね。大将にこれを渡せばお腹いっぱい食べられるよ」
「え、なんですかこれ?」
紙には
『勇敢な少年にお茶漬けを 星野Aより』
と、その横にはサインのようなもの
「それを見せれば いつでも食べ放題だよ」
「そ、そんな!Aさんのお金でご馳走になるなんて!」
「敦君はモデル料を断った。ならその代わりに"この紙切れ"をれっきとしたお礼とさせて」
「大丈夫 元々払われる対価なんだから」と言われてしまい受け取ると 満足げに笑った
「敦君、夕飯食べてく?」
「これ以上は頂けませんよ!!」
最後まで Aさんは素敵だった
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柚子の香(プロフ) - キリカさん» いえいえ！頑張ってくださいね！ (2018年8月27日 17時) (
レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 柚子の香さん» ありがとうございます。ほんとだ"敦"ですね。すみませんありがとうございます! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 唯我独尊丸さん» わぁ ありがとうございます。うれしいです! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
柚子の香(プロフ) - 凄く面白い！ただ、ひとつだけいいですか？漢字が『淳』では無く『敦』だと思います。なんかすみません。この作品大好きです！更新楽しみにしてますね！ (2018年8月27日 0時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
唯我独尊丸(プロフ) - 凄く面白かったです！イッキ読みしちゃいました笑更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2018年8月26日 23時) (レス) id: 2689cacca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリカ
| 作成日時：2018年8月22日 19時
