世界は麗らか【文スト】

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家に帰ってからまず体についている汚れを落とす為お風呂に入った



「にゃ〜」



「綺麗になったね」



「思ってたより白いな」




汚れのせいだったのか 子猫はさっきよりもだいぶ白い毛並みでとても綺麗だった




「お腹空いてるかな」



「なにを食べさせるんだ?」





私も作之助も猫を飼ったことがない。とりあえず二人で書庫に行き猫の本を探して読み漁る




「へぇ〜 なるほど」



「そうか…」




しばらく沢山の本を読み



大体子猫を飼うのに必要な知識を知り、リビングへ戻るとクッションの上ですやすや寝ていた




「寝ちゃってる」



「疲れたんだろうな」



そっと撫でると 温かくて小さな命が懸命に生きている事を実感する




「どこから来たんだろう」



「親猫は近くに居なかったな」




普通これだけ小さかったらまだ一人では生きていけないはずだけど この子は一人だった




「これからどうしよう」


「そうだな…」




首輪をしていないので飼い猫とかではなさそうだけど、しばらくの間預かるというのもありかな



それに、所々擦り傷のようなものがみえる




「痛かったんだろうな」




まだこんなに小さいのに



たまにﾋﾟｸｯと反応しては また眠ってしまう




「可愛い」



「あぁ」




なんか、作之助と子猫って似合うなぁ。大きな手が余計にほのぼのするというか




「ちょっとスケッチしてもいい?」



「猫をか?」



「そう、あと作之助も一緒にね」



「俺も?」




そのままでいてね、と言い描いていく。ちょっと顔がこわばったり照れたりするかなと思ったけど




微塵も変わらずいつも通り



おぉ 流石というかなんというか 実に作之助らしい





「ふふ」



そういえば、誰かをスケッチするのは初めてかもしれないなぁ




「出来たよ」




見せると 「おぉ いいな」と言って褒めてくれる




「自分の絵を描かれるのは初めてだ」



「私も始めて描いた」




上手く描けたか分からないけど、作之助は嬉しそうにじっと絵を見ていたので安心した



「にゃ〜ん」



「あ、起きた?」




くわっと伸びをして私を見ると またよじよじ登ってくる




「あぁー どうしよう可愛い」



「よっぽどAが好きなんだな」





よしよしと撫でると目を細めてまた欠伸をする



仕草ひとつひとつが一生懸命な感じがして癒される



私が作ったミルクを飲むと、また眠ってしまった



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