世界は麗らか【文スト】

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No side




「おい、気絶させてどうすんだよ」



「だって聞いたろ!ロープ外せって言うんだぜ!?」



仲間の一人に怒られ、焦る男。注意した男は気絶したターゲットをﾁﾗﾘと見る。




「随分と肝の座った女だ。ポートマフィアの幹部どもに気に入られる事だけある」



「あぁ、確かにな」



普通、拉致され目を覚ましたら叫ぶなり悲鳴をあげるなりするであろう状況に冷静な言葉を並べている事実。はっきりいって驚きの他ならない




「それに、かなりの上玉だ」


「そうだな」




気絶している彼女の髪をひと束すくいｸﾂｸﾂと笑った




「この女を売った金で、逃亡するのもありかもな」



「なら、まずボスに会わせるか」




ｸﾞｯと体を起こし抱き寄せた 刹那、




ﾄﾞｶｧｧｧｧﾝ!!!!




　「「!?!?」」



いきなりドアが破壊され衝撃で体がよろける男達。その先には粉砕された壁などから煙が舞う





「羅生門………顎!!」




「「ぐぁぁああ!!!」」



「ーーー!?」




秒速の攻撃が隣をすり抜けると 見えたのは倒れる仲間の姿。




あまりの一瞬の出来事に 力が抜ける男。煙からうっすら見える四人の人影に恐怖を覚え。女を抱き寄せ後ろに下がった




「ボスに会わせるだぁ?手前、死んだ奴にそいつを会わせる気かよ」




「ｯ!? 何故ここが分かった!!」




「死にゆく君がそれを知る必要はないよ」




煙が消え、破壊の振動がおさまると姿を現した四人。紛れもない ポートマフィアの芥川龍之介と幹部の中原中也


そして隣にいる男二人、元ポートマフィア幹部太宰治と織田作之助だった




「Aを離せ」




男に近づく織田に対し拳銃を人質の頭に突きつけた。気絶したまま目を覚まさない彼女




「それ以上近づいたら、女の頭が吹っ飛ぶぜ!!!!」




その言葉に動きを止める四人。それもそのはず、男の顔は理性を完全に失っており手先がぶるぶると震えていた



少しでも衝撃を与えれば、引き金を引きそうな勢いだ。その事実にみな息を飲む




ますます拳銃は頭にめり込み、息が荒くなってゆく。芥川はすぐにでも息の根を止めに羅生門を食らわせたいが出来ずに歯をくいしばる





「車を用意しろ!!この女諸共道連れにしてやる!!!」




と、言い放った瞬間 ﾊﾟﾁﾘと目を覚ました人質 。それを四人は見逃さなかった



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