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「中也さん、」
「よぉ Aじゃねぇか」
私が声をかけると振り返ってニッと笑う。「今帰りか?」と言い一緒に歩きだした。
「はい、中也さんはお仕事ですか?」
「あぁ 部下からの連絡待ちってとこだ」
「え、大丈夫でなんですか?」
今普通に私と歩いて来ちゃっている。思わず足を止めると「馬鹿、送ってやるって事だよ」と手首を掴まれまた歩き出す。
「あ、この前はお酒を選んでくれてありがとうございました」
前を歩く中也さんに引っ張られながら言うと足を止めずに歩き続ける
「あぁ そんな事か。美味かったか?」
「はい、とっても。友達も喜んでました」
まぁ、太宰は泥酔してそのまま寝てしまったが。作之助も気に入ったらしくあの後も何度か同じ物を買っていた。
「なら、選んだ甲斐があったってもんだな」
得意げに笑うその笑顔は、やっぱりどこがて見覚えのあるものだ。そういえば、あの時太宰に聞きそびれちゃったな
「あの、中也さん」
「なんだ?」
ようやく足を止めて 振り返ってくれると手を離した。
「家、反対です」
「「………………」」
しばらくの沈黙の後 ガシッと肩を掴まれる
「それを早く言えよ!!」
「でも、引っ張られてたんで」
「んなもんどうにでもなるだろ!!」
と、呆れたように怒鳴られる 怖いですよ中也さん。改めて方向を変え歩き出して帰路に着く。
「てゆうか、手前 その話し方やめろよ」
「え?」
「堅苦しくて 気に入らねぇ」とポケットに手を突っ込みながら言う。敬語を外してほしいって事かな
「わかった じゃあ中也で」
そう呼ばれると満足げに笑った。その顔は夜のヨコハマに溶け込んでいてとても綺麗だった
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「じゃあな A」
「うん 送ってくれてありがとう。気をつけてね」
「それはこっちの台詞だな」と呆れられながら手を振り、彼が来た道を戻っていく背中を見届け家に入った。
はやとくんから貰ったお花を花瓶に移し、夕飯の支度を始める。
「うーん、どうしよう」
今日は軽めにしようかな。久し振りに一人の夕飯だし。そう決めて私は野菜を切り始めた
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柚子の香(プロフ) - キリカさん» いえいえ!頑張ってくださいね! (2018年8月27日 17時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 柚子の香さん» ありがとうございます。ほんとだ"敦"ですね。すみませんありがとうございます! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 唯我独尊丸さん» わぁ ありがとうございます。うれしいです! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
柚子の香(プロフ) - 凄く面白い!ただ、ひとつだけいいですか?漢字が『淳』では無く『敦』だと思います。なんかすみません。この作品大好きです!更新楽しみにしてますね! (2018年8月27日 0時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
唯我独尊丸(プロフ) - 凄く面白かったです!イッキ読みしちゃいました笑更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2018年8月26日 23時) (レス) id: 2689cacca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キリカ | 作成日時:2018年8月22日 19時