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月島side
「おはよ」
朝の食堂で声をかけると
「おはよう よく眠れた?」と返した
「日向と西谷さんのいびきがうるさかったけど」
「それは大変」
くすりと笑う朝日奈さん
よそってくれたご飯を受け取って席に着く
「…」
数秒ご飯を見つめたあと、
影山と話す彼女を横目に見て、ご飯を食べた
___________
.
「大丈夫?」
壁にもたれて座る僕を、
見下ろすように顔を覗き込む
「大丈夫って、何が?」
「朝ご飯少なめだった」
「僕は普通だよ。他のみんなが異常なだけ」
「そう」
何の迷いもなく僕の隣に座る
いつも教室で見えてる横顔とは違う朝日奈さん
視線の先は、日向と掴み合ってる王様
何でさ、と思った言葉は口には出ない
「水分、ここに置いとく」
「ありがと」
「何かあったら言って」
立ち上がった朝日奈さんの手を引き止める
「じゃあ、もう少しここにいて」と言うと
驚いた顔をしつつも、了承してくれた
「気づいてないでしょ」
「?」
「王様、今日ずっと君の事見てるよ」
「!」
ﾁﾗｯと見ると、目が合ったようで
気恥ずかしそうに晒した王様
何それ
何でそんな顔してるのさ
朝日奈さんをこんな顔に出来るのが王様とか
どういう摂理なのさ
「…」
気づいてないでしょ
僕も今日、ずっと君を見てるんだよ
ひらひらと手を振る朝日奈さん
それに答えるように拳を掲げた王様
ほんと、バカだよね
恋する人に恋するなんて
しかも何の望みもない
女心と秋の空って
あれ嘘でしょ
本当にそうなら、君は僕を見る日はくるの?
そんなことわざに期待する日が来るなんて。
気づいてないでしょ
恋してるんだよ、君に
失恋ってなんなの
もうこの状況が失恋なら、あのことわざにすがる意味もない
断られた時点で失恋なら
田中さんはどんだけ失恋してるのさ
「はぁ…」
ほんと、泣きそうだよ
「A、ドリンクおかわり」
「ちょっと、今僕と話してるから邪魔しないで」
「あぁ? んなもん関係ないだろうが」
「あるよね? 隣の席の間柄だから」
「おいひっつくなよ!」
「王様が庶民に嫉妬ですかぁ?」
こうして挑発するくらいいいよね
どうしたって僕のものにならないのなら
隣の席の特権
存分に使わせてもらうよ、王様
それと、僕が失恋するのは
きみ以外の誰かを好きになった時にしとくよ
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かげぇ - 本当にこんなストーリーが思いつくなんて天才ですね。本当に感動しました。ありがとうございます。 (2022年10月21日 2時) (
レス) id: 3036219cf9 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 祈吏さん» 差し支えなければ村上春樹さんのどの作品の女の子に似ているのか教えて頂ければ幸いです。とても気になります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます! 月島くんのことも好きになってくれるなんて感無量ですね (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
祈吏(プロフ) - 主人公の女の子が村上春樹の小説に出てくる女の子みたいですごく好きでした (2022年6月4日 15時) (レス) @page50 id: ed79f9af0b (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - すごく素敵でした。影山くんももちろんですが、月島くんももっと好きになりました！ (2021年6月19日 2時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリカ
| 作成日時：2019年8月11日 19時
