・ ページ33
.
「はぁ、はっ…A!!」
泣いている朝日奈さんの後ろから王様が現れた
その声に反応して逃げようとするからがっちりホールドして固定
「ちょ、なっ…!」
「逃げちゃダメ」
「…っ」
「ｯおい、なにしてんだよ」
「それはこっちの台詞なんだけど」
王様を睨むと少しバツが悪そうな顔をした。手に持ってる手紙でなんとなく状況を理解する
「なに、朝日奈さん泣いてるのは君のせい?」
「…」
「つ、きしまっ 離しｯ」
「ダメ 君もちょっとは反省して」
「…う、ん」
「は? 反省?」
ぐすっと僕のお腹で泣く朝日奈さんは、いつもより弱々しくて僕が言った反省の意味がわかっているみたい
「王様も、朝日奈さんの気持ち考慮してあげてよね」
「な、んだよ」
もっとも自分が不得意とする分野の事を言われていつもの暴言が出ない王様
「自分の好きな人に他の子からのラブレター渡す役なんて普通苦痛以外の何物でもないでデショ」
「…ｯ」
苦しいって言ってたじゃん
その言葉通り 今も辛そうにしてるし
「君も、それを分かってて受け取るなんてお人好し飛び越えて馬鹿だよ」
「う、…」
僕の言葉に二人とも黙り込んだ。ほんと、手間のかかる二人だよね どうみても両思いじゃん 単細胞の方は自分の気持ち分かってるのか怪しいけど
「あの単細胞に分かるように言わないと多分一生伝わんないよ (ﾎﾞｿｯ」
「…伝えてるつもり」
朝日奈さんにだけ聞こえるように耳に近づくと「っおい!」と怒った声を上げる
「月島、そろそろ離せよ」
「え〜 なんでさ」
見せつけるように更に抱きしめる力を強めると
あからさまに嫌な顔をする王様
「いつまでくっついてんだ!!」
「なに、嫌なの?」
いつものように煽ると流石に頭にきたのかズカズカと寄ってきてべりっと僕から朝日奈さんを引き剥がした
「あぁ 嫌だよ」
「…ｯ!!」
「へ〜え、珍しく素直じゃん」
「うるせェ」
ぎゅっと朝日奈さんの腕に力を込める王様
嫉妬心丸出しダネ
王様が朝日奈さんの手を取って
二人は体育館の方へ歩いて行った
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1369人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かげぇ - 本当にこんなストーリーが思いつくなんて天才ですね。本当に感動しました。ありがとうございます。 (2022年10月21日 2時) (
レス) id: 3036219cf9 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 祈吏さん» 差し支えなければ村上春樹さんのどの作品の女の子に似ているのか教えて頂ければ幸いです。とても気になります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます! 月島くんのことも好きになってくれるなんて感無量ですね (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
祈吏(プロフ) - 主人公の女の子が村上春樹の小説に出てくる女の子みたいですごく好きでした (2022年6月4日 15時) (レス) @page50 id: ed79f9af0b (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - すごく素敵でした。影山くんももちろんですが、月島くんももっと好きになりました！ (2021年6月19日 2時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キリカ
| 作成日時：2019年8月11日 19時
