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ﾋﾟｯ ｶﾞｺﾝ
落ちてきたぐんぐんヨーグルを取り ﾌﾟｽｯとストローを刺す。昨日は散々だったな
………
好きと言われたと言うと、一層囲みの圧が強くなって壁に追い込まれる
『で、いつそんな事言われたんだよ!?』
『今日っス。みなさんが来る前に一人でサーブ練してた時に』
『なんだとォ!? おい影山くそ羨ましいぃぃいい!!』
『田中さんもサーブ練したかったんすか?』
『そこじゃない影山。田中はお前がモテて妬ましいだけ』
『縁下ストレートに言うなぁああ!!』
一向に固まっていた日向が俺の肩を掴むとｷﾞﾛｯと睨んできた
『か、かかかか、影山に告白してきた女子はお前の本性を知らないんだ!!』
『本性ってなんだよ 俺はいつも通り練習してた
だけだ』
『告白された当の本人がこれじゃあね』
『ツッキーならもっと紳士に対応してたよね!』
『山口うるさい』
『ごめんツッキー!』
『なんなんだよ…』
……………
ﾋﾟｯ ｶﾞｺﾝ
「ーｯ!」
いつの間にか自販機の前に人がいた。俺は驚いて一歩下がると、買ったものを屈んで取り出している
「「あ、」」
そいつが振り返ると、目が合い言葉が被った。持っているぐんぐんヨーグルトを落としそうになる
昨日の奴だ、たぶん
何も言わずにいると、そいつも何も言わず買ったジュースにストローを刺して飲みだした。目線だけは外さずに
『誰だよ!?』と、昨日言われた言葉を思い出した。誰だと言われても、俺も知らねぇ 誰なんだと言われれば目の前にいるこいつと答えるしか
「昨日は綺麗だった」
ﾌﾟﾊｯと飲むのをやめて言った
「お前、サーブそんな好きなのか」
「サーブ? 昨日のあれはサーブというの?」
「おまっ サーブ知らずに言ってるのか!?」
「知らない」
「…そうか、」
なんなんだこいつ、サーブも知らずにそんな事を言ってんのか。日向以上のボケかもな、身長は同じくらいか
「サーブは綺麗ね」
「あぁ 他のトスもレシーブも、俺のが綺麗かどうか知らねぇけど バレーは面白い」
「バレー…あなたはバレー部なんだ」
「あぁ」
「もっと、見てみたい」
ｽﾞｲｯと背伸びして一歩俺に近づいた。ふわっと花みたいな匂い。目が茶色だな 昨日と同じだ
ｷ-ﾝｺ-ﾝ ｶ-ﾝｺ-ﾝ
「あ、予鈴」
「おう」
「じゃあね」
「あぁ」
ぐんぐんヨーグルトのカラを捨てる。席に着いた時に思い出した
「あ、名前…」
もう、授業が始まっていた
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かげぇ - 本当にこんなストーリーが思いつくなんて天才ですね。本当に感動しました。ありがとうございます。 (2022年10月21日 2時) (
レス) id: 3036219cf9 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 祈吏さん» 差し支えなければ村上春樹さんのどの作品の女の子に似ているのか教えて頂ければ幸いです。とても気になります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます! 月島くんのことも好きになってくれるなんて感無量ですね (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
祈吏(プロフ) - 主人公の女の子が村上春樹の小説に出てくる女の子みたいですごく好きでした (2022年6月4日 15時) (レス) @page50 id: ed79f9af0b (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - すごく素敵でした。影山くんももちろんですが、月島くんももっと好きになりました！ (2021年6月19日 2時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリカ
| 作成日時：2019年8月11日 19時
