検索窓
今日:6 hit、昨日:215 hit、合計:582,719 hit

ページ24

.




「私が、最初に手を出した事だから」


「…ッ」





困ってたあなたの 少しでも力になれたのなら 私はそれで満足





「だから 格好つかないけど、最後は格好つけさせて」


「…」


「お願い」


「…わかった」


「ありがとう」





気を張って 安心したせいか、突き出していた手がへなへなと落ちる「おい、無理すんな」と優しく肩を押され横になる





「大丈夫 部活、行って?」


「けど…」


「格好、つけさせてくれるんでしょ?」


「ッおお」


「うん 行ってらっしゃい」


「おお」






力強く、最後はまっすぐに私を見てくれた。どうして私がここにいるのかは、きっと月島あたりから聞いたのだろう




保健室を出て行くのを見送りため息をつく。彼にだけは、知られたくなかったんだけど





でも、ひとつだけ分からない事があった





「…」






なんで、上は制服で下はジャージだったんだろう





着替え途中に無我夢中で来て、その格好で体育館に行き 現在大笑いされている彼を 私は知るよしもなかった





…………





「おはよ」





次の日 朝一番に声をかけて来たのは月島だった。「おはよう」と返して隣に座る





「昨日 ありがとう」


「王様の事?」


「ううん 運んでくれて」






「先生に聞いた」と言うと「別に普通でしょ」と教科書を出しながら答えた






「王様、ちゃんと謝ったの?」


「ううん」


「は? じゃあ何しに昨日行ったのさ」


「阻止した 謝らないでって」


「意味わかんない」


「私が勝手にやった事だから」


「…お人好し」


「月島もでしょ」


「は?」





ポカンとして何言ってんのというような眼差し。彼がこういう性格なのはだんだん慣れてきた






「倒れたこと、伝えてくれた」


「…」


「ありがと」



「…別に 絶対言う気ないと思って」


「うん」


「ほんっと、お人好し」




あなたも十分そう思うけど、というのは飲み込み 今頃なにしてるかなと 彼の事を思った



.

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (943 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1369人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 影山飛雄   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かげぇ - 本当にこんなストーリーが思いつくなんて天才ですね。本当に感動しました。ありがとうございます。 (2022年10月21日 2時) (レス) id: 3036219cf9 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 祈吏さん» 差し支えなければ村上春樹さんのどの作品の女の子に似ているのか教えて頂ければ幸いです。とても気になります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます! 月島くんのことも好きになってくれるなんて感無量ですね (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
祈吏(プロフ) - 主人公の女の子が村上春樹の小説に出てくる女の子みたいですごく好きでした (2022年6月4日 15時) (レス) @page50 id: ed79f9af0b (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - すごく素敵でした。影山くんももちろんですが、月島くんももっと好きになりました! (2021年6月19日 2時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:キリカ | 作成日時:2019年8月11日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。