36.違和感を感じること ページ36
青side
桃「流星、もう寝るから来て、?」
青「ん、行こか」
昨日寝る前だけは特別、って言ってキスをしたからか、クッションを抱き締めた望に声をかけられる。
一応泣いてはないけど、望の瞳は明らかに普段より水分量が多いし、うるうるしとって、
そんな態度取られたら期待してまうからやめてほしいんやけど、寂しさでいっぱいの望にそれを言うんは酷か。
桃「りゅう、せ…、っん……」
青「おやすみ望、明日も頑張りや」
桃「…ん、おやすみ…、」
昨日と同じように唇を重ね合わせて、強く抱き締めてから布団をかけてあげると、望の瞳は何か言いたげにゆらゆら揺れて、それを宥めるように頭を撫でて寝室を出る。
青「んーっ…、」
俺は基本仕事と言えば家でパソコンに向き合うことやから、時間は自由。
出来るだけ望が起きる時間寝る時間に合わせて生活しとるんやけど、今日は後1時間くらいしてから寝よかな。
今までは、望がおるからどうしても甘やかしてもうてびっくりするくらい仕事が進まんかったけど、1人やとすぐ終わってまう。
猫とかを飼っとる人が膝の上に乗せて作業したりするやん?あれとおんなじ感覚で望が基本膝の上におったから、違和感が半端じゃない。
やって、パソコンをいじる時にどこにも重みを感じんなんて、月に1回あれば多いくらいやったもん。
望が寝て全く起きん時とか、お仕置きとして放置しとる時くらい?それも基本なかったから、ほんまに違和感。
それは多分望も同じで、今も寝室から寝付けんくてごそごそしとる音が聞こえるから、余程くっつけんことがストレスなんやろう。
桃「…流星、」
青「ん?寝られへん?」
桃「流星、まだ寝んの、?」
ガチャ、と、控えめに開いたドアの音に振り返ると、眠そうに目を擦りながらぼんやり俺を見る望が。
会話が噛み合わんなんて、しっかりしとる望にしては珍しいな。
青「んー…まだ寝んつもりやったけど、」
桃「ソファーで寝たらあかん、?」
青「体痛なるしやめとき、それなら俺ももう寝るから、な?」
桃「ん、」
俺がおるのが常やったからなかなか落ち着かんのか、布団の中からチラチラと俺の方を見る望に少し微笑みかけながら電気を消してベッドに入る。
青「おやすみ、」
桃「、ん…おやすみ、なさい…、」
じーっ、と視線を感じて横を向くと望は布団の中から俺を見上げとって、手で無理矢理望の瞼を閉じるとしばらくして聞こえた寝息。
時々何かをもごもごと呟く可愛いBGMに、そのまま俺も眠りについた。
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らるり(プロフ) - mさん» そんなことを言って貰えるなんて夢にも思っていなかったのでめちゃくちゃ嬉しいです!読んでいただきありがとうございました! (2020年5月21日 14時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
m - 今までで一番面白かったです!ほんとに。まじで。まっ言いたいことは、ありがとうございました書いてくれて (2020年5月21日 13時) (レス) id: efcd99a275 (このIDを非表示/違反報告)
らるり(プロフ) - 音羽さん» ありがとう!ゆっくり書いてるので待っててください! (2020年5月16日 0時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
らるり(プロフ) - 優和さん» コメントありがとうございます!また新しいのを出す予定なので、良かったらお願いします! (2020年5月15日 23時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
音羽 - 完結おめでとう!うぇすとだいありー。もゆっくり書いてってな! (2020年5月15日 23時) (レス) id: ee26aa0291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らるり | 作成日時:2020年5月6日 23時