22.一緒にいること ページ22
桃side
桃「嫌、っ、嫌や、離れんで、」
青「もー、どうしたんよ、離れてないやろ?」
違う、違うもん。
確かに、距離は変わってない。
異常なほどくっついて、ぎゅーっ、と俺が抱きついて、流星の肩に頭を押し付ける。
やけど、なぜか流星も腕を回してぎゅっ、と抱きしめてくれて、密着度合いは上がったはずやのに、心の距離はどんどん離れていく気がする。
桃「流星、流星、俺から離れて行かんで、」
青「…離れるわけないやろ?」
桃「、っ、嫌、嫌や、流星…っん…」
青「ん、、っ、ん……」
なんでそんなに返事に間が開くん。なんでそんなに寂しそうな顔するん。なんでそんなに辛そうに頭を撫でるん。
なんて、全部気のせいやと言われればそれでおしまいやけど、心の中でどんどん膨らんでいく不安をかき消すように唇を押し付ける。
桃「ん、ん……っん、、ちゅ……、んん、っ…、」
青「、はぁ…、そんなに不安がらんでも大丈夫やで?」
桃「、嫌、いや、っ、もっと、もっとして、」
青「もー…どうしてん、」
そう困ったように笑いながら俺に口付ける流星に精一杯抱きつくけど、どんどん流星は離れていく気がして、言い様のない不安に襲われる。
桃「俺のこと、好き?、誘拐した時と同じくらい好き、?」
青「好きに決まっとるやん、誘拐した時よりもだいぶ望のこと好きやで?」
桃「、っ、なんで隠し事するん…」
さっきは隠し事する流星にイライラしとったのに、今度は悲しくなってきた。さすが俺、情緒が全然安定せえへん。
やからこそ、こうやって甘やかしてくれる人が必要やのに、流星はその面倒な役を買ってでたのに、なんで、?もう俺、捨てられるん、?
青「望、そんな泣きそうな顔せんの、望にとってええことやから」
桃「じゃあ教えてや、っ、」
青「それはまだ、1週間経ったら教えたるから、それまでは我慢して?」
なんやねんそれはまだ、って。誘拐して普通の生活をぶち壊したんは流星やん。それやったら、俺がこんな不安を持たんようにするくらいしてや、
桃「、っ、流星、お願い、俺から離れんで、おれ、無理やって、」
青「大丈夫やって、な?」
桃「大丈夫ちゃうの、っ、お願い、流星、離れんで、」
離れんで、一緒におって、流星がおらな、って、ただただ愛してもらって甘やかしてもらって、こっちからは何もあげてない俺が言えることちゃうんかな…
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らるり(プロフ) - mさん» そんなことを言って貰えるなんて夢にも思っていなかったのでめちゃくちゃ嬉しいです!読んでいただきありがとうございました! (2020年5月21日 14時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
m - 今までで一番面白かったです!ほんとに。まじで。まっ言いたいことは、ありがとうございました書いてくれて (2020年5月21日 13時) (レス) id: efcd99a275 (このIDを非表示/違反報告)
らるり(プロフ) - 音羽さん» ありがとう!ゆっくり書いてるので待っててください! (2020年5月16日 0時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
らるり(プロフ) - 優和さん» コメントありがとうございます!また新しいのを出す予定なので、良かったらお願いします! (2020年5月15日 23時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
音羽 - 完結おめでとう!うぇすとだいありー。もゆっくり書いてってな! (2020年5月15日 23時) (レス) id: ee26aa0291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らるり | 作成日時:2020年5月6日 23時