無限列車 ページ48
ふと目を開けるとAは、山の中で立っていた。
『……あれ…。何してたっけ』
首をかしげるが答えは出てこない。
『うーん…。とりあえず、家に帰るか』
スッキリしない気持ちでAは走って家に帰る。
母「おかえりなさいA」
鈴の音の様な声色の母は、Aの自慢だ。
『ただいま!お父さんは?』
母「お父さんなら、火をたくための木を取りに行ったわよ。Aも手伝ってきなさい」
『はーい』
言われた通りに父の元へ向う。
しかし向かっている途中に白髪の女性がAを呼ぶ。
?「A。早く目を覚ましなさい」
『え?私、目は覚めてますよ?』
?「あなたに、このような幸せは訪れない。」
『な、何を言っているんですか?“瘋漸師匠”』
だが白髪の女性─瘋漸は姿を消していた。
『瘋漸師匠…?…あ。あぁ…あぁ…!思い出した!』
父「何を思い出したんだ?」
自分の仕事、するべき事を思い出した所で父が顔を出す。
父は子供心を忘れない楽しい人だ。
『いや、何でもない』
父「世知辛い!」
何気ない会話をしながら家に帰って行った。
しかしAの頭の中は、目覚めたい一心。
『(どうすれば出られる…。自害する…。それしか分からない。)』
母「Aには幸せな人生を送ってほしいわね」
父「そうだなぁ」
言葉が出ない。自分は鬼を殺すため日々、地獄の中さまよっている。
幸せとはかけ離れていた。
それにAからしてみれば鬼に喰われた、両親の方が幸せになって欲しかった。
『お母さん、お父さん…』
父「どうしたんだい?」
『私行かなきゃ。瘋漸師匠と約束したから…』
ポツポツと何年間も流れなかった涙が、夢の中で流れ出す。
母「ど、どうしたの…。何を約束したの?」
『これ以上、人が鬼に喰われないようにするって…約束した』
それを最後に家族に背を向け走り出した。
父「A!どこへ行くんだぁ!」
母「戻って来て!」
両親のその叫び声は何かに、すがる様な声だった。
『一緒に折り紙しようって、あの時お母さんと約束してたっけ』
それを最後にAは泣くのを止めた。
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トリップ人生(プロフ) - 百鬼夜行さん» 良き理解者が居て良かったです!更新頑張りますね!私も応援してますので! (2019年9月1日 12時) (レス) id: 63cc30b589 (このIDを非表示/違反報告)
百鬼夜行(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!私も1番くじ、あと一歩という所で完売したんです!気持ちよく分かります!お話、これからも応援してます! (2019年9月1日 12時) (レス) id: 1f8d7eef89 (このIDを非表示/違反報告)
トリップ人生(プロフ) - 時透くんと遊びたい☆さん» 瘋漸師匠すごくこだわりました(笑)私も鬼滅の最推しが時透くんなので早く書きたいなぁと思ってます!!感想ありがとうございました!! (2019年8月7日 6時) (レス) id: 63cc30b589 (このIDを非表示/違反報告)
時透くんと遊びたい☆ - オリキャラの瘋漸師匠に惹かれました!文章も上手で良かったです!時透君推しなので時透君が出るのを楽しみにしてます!! (2019年8月6日 23時) (レス) id: 48f42011f9 (このIDを非表示/違反報告)
トリップ人生(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 感想ありがとうございます!体調の事も考えてくださって、本当に感謝でいっぱいです。これからも頑張ります! (2019年8月5日 20時) (レス) id: 63cc30b589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トリップ人生 | 作成日時:2019年7月21日 21時