とある少女の武勇伝【鬼滅の刃】

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？「羽の呼吸 弐ノ型 羽線刺し」


その声と同時にAの目の前にいるソレは、まるで串刺しにされたかの様な傷─おそらく刀で突きをされたのだろう─傷が全身に無数に出来ていた。

だが、


「痛ってぇなぁ!?あ゛ぁ!?だがなぁこんな傷すぐに治るんだよぉ！」


ソレは大声で汚く喋ると、見事。さっきの傷をすっかり治した。


？「そんな事は分かっています。ただ少し動きを封じたかっただけです。」


その声はAの後ろから聞こえた。そう、後ろから。なのに何故だろう。声の主は自分の目の前。いや、ソレの目の前で刀を構えている。

とてつもない速さで移動した。目の前にいる女性は。それもまた、人ではない。


？「羽の呼吸 壱ノ型 羽冠斬(うかん)り」



ｺﾞﾄｯ


母と父を喰らったソレは呆気なく目の前の女性に首を切られた。
やがて首も体も灰となって消えて逝った。


『あ、貴方は…？それと、さっきのヤツは…？お母さんとお父さんは戻ってくる…？』


目の前の女性は美しい白髪を1つに結んでいる。
女性はAの声を聞きその白髪をなびかせ、振り返る。


？「私の名前は元鬼殺隊、落ちた“羽の呼吸”の使い手。羽玲(うれい) 瘋漸(ふうぜん)。」


『ふう…ぜん…。』


瘋「無くした者は戻りません。ですが、これ以上、無くさない事ならできる。先程のヤツは鬼。私は若い頃その鬼を殺す事を仕事としていました。」


瘋漸の周りは何処か悲しい風が吹いていた。


『私も、鬼を殺す…。鬼殺隊になる！もうお母さんとお父さんみたいになる人を無くす！だから！私を強くしてっ…！お願い、しますっ…！』


瘋「これからは苦しい道になります。死にたいと殺してくれと思う事もあるでしょう。それでも貴方は生き続けますか？自分は生き続けると誓えますか？」


怖い。正直こんな約束して良いのか。だけど瘋漸の周りにはなぜか悲しい風が吹いていた。


『自分だけじゃない。1人でも多く私は鬼から救う。だから私を強くしてください！』
　

瘋「…。勿論。貴方がそれを望んだのなら。」

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