とある少女の武勇伝【鬼滅の刃】

お前が ページ12

鴉「東京府浅草ァ！鬼ガ潜ンデイルトノ噂アリ！」


まだ朝も早い頃、Aの鎹鴉から初任務の知らせを受けた。それを聞き、急いで浅草に向かう。
到着したのは日が沈みすっかり夜になった頃だった。


『それより私今日、何も食べてないや。ん！あそこに、うどん屋さんがある！やったね！』


運良くうどん屋を見つけて、鬼を狩る時と同じ速さでAはうどん屋に行き、3秒で着いた。

ちなみに注文は5秒で終わった。


『おいひい！(美味しい！)あふあふで、あははまりゅ…。(アツアツで温まる…。)』


炭「可愛いなぁ。」


『え？ちょ、え？いつの間に隣に？あ、え…え？』


うどんで、ほっこり顔のAを見て可愛いと呟いたのは、いつの間にか隣に居た炭治郎だった。


炭「いつって…最初から？うどんで夢中になって気付かなかったんじゃないか？」


『お恥ずかしい…。』


だがここでもまた夢中になってすぐには(・・・・)気付かなかった事があった。


『あれ…？炭治郎、その子って…』


炭「Aは狩ろうとしないんだな。」


『それは炭治郎が優しい人だって信じてるからね。何か訳があるんでしょう？』


そう言うAの目線の先には少女の姿で寝ている鬼が居た。


炭「俺の妹の竈門禰豆子。…鬼舞辻 無惨と言うヤツに鬼にされたんだ。」


鬼舞辻。その単語はAにも馴染み深く、憎い単語であった。


『炭治郎も…』


そう言いかけた時、炭治郎とAは突然立ち上がる。噂をすれば、瘋漸とAの家に微かに吹いていたあの風が今、浅草にも吹いていた。


『…。(鬼舞辻…！アイツ、こんな所に！)』


二人は何も言わずに走る。だが心はただ、鬼舞辻に向けた殺意で埋まっていた。

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