本当はわかってたんだよ。僕だって。 ページ5
「仲間は、生き残った私には逞しく生きてもらいたいんだろう。ただ無事に、幸せになって貰えばきっと報われる。死んだ仲間の分まで生きるんだ。」
復讐は終わらない。人間の感情がある限り。
「語りかけてなどいない、無念だと語りかけてなどこない。ただ私が勝手に思っているだけなんだ。わかっている。そんなこと。だが、そうでもしないと立ち直れなかった。行く当てもない、天涯孤独になったことをまざまざと見せつけられて、正気じゃなかった。いっそ死んでやろうかとも考えたが、やはり怖くてできなかった。私は逃げたんだ。仲間を利用して、勝手に頼って、縋って、思い込んで、私の生きる糧にした。私は最低なことをした。早死にを選んだ。仲間の意思に背いて。」
そこまで行って、膝に顔を埋めたクラピカくん。
「逃げるのは、悪いことじゃないと思うよ。怖かったら逃げなくちゃ。嫌だと思うことからは逃げてもいいんだよ。」
思い出す、昔のことを。
「私だって逃げた。何回も何回も。逃げて、逃げて、問題を増やして取り返しのつかないことになった。その結果が、吹雪雪菜の失踪。十歳くらいの頃、零崎に成った。元々四歳くらいの頃からわかってたんだ。無意識のうちに殺すことだけを考えていた。そんな自分が恐ろしかった。一度、私は実の兄を傷付けた。兄は自分との秘密だと言って隠してくれた。そうして私は逃げた。十歳くらいの頃、ついに爆発した。クラスメイト皆殺しにして、先生に拾ってもらった。零崎の、兄になる。家賊にならないか、と言ってきた。行くあてのない私は先生を頼った。先生は兄になった。今でも、先生って呼んでるけど。」
日が昇ってきた。
「仇を取るのは悪いことじゃない。けれど、外道にはならないようにしてよ、クラピカくん」
立ち上がり、壊れた扉に手をかけると、クラピカくんから声がかかった。
「…クラピカでいいよ、ユキオリ。くんと呼ばれるのはくすぐったい。」
「そ。わかったよ、クラピカ。んー、そうだね、なら私のことをゆきちゃんって呼んでもいいんだよ?」
「ゆきちゃん…」
「なぁに?」
「いや、ユキオリで結構だ。」
ゆきちゃん、と言い、怪訝そうな顔をしたクラピカ。
しかしにやにやとしていると、茶化しだとわかったのか、くすりと笑った。
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クラピカからの好感度80超えました。
やったねゆきちゃんっ!クラピカルートが出来たよ!
>>クラピカ落ちにはしないけどな!!<
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八凪(プロフ) - 夜桜琴 氷零さん» コメントありがとございます!励みになります!クラピカ落ち希望ありがとうございます!私もクラピカ好きなので検討してみます! (2019年2月27日 18時) (レス) id: 46226bed43 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜琴 氷零(プロフ) - とても面白いです。ありがとうございます。クラピカ落ち希望 (2019年2月27日 13時) (レス) id: 9486bc00be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八凪 | 作成日時:2016年11月23日 12時