復讐の心 ページ3
「親友の仇を前にして、更に逃がされたってなると泣きたくなるのもわかる気がするよ。ごめんね。君の気持ちは考慮していなかったよ。」
扉の前に座る。
「私の一賊の話はしたよね。零崎に手を出すものは一族郎党皆殺しって話。」
「ああ。言っていたな」
「でも、零崎の周囲に手を出しても零崎一同は出てこない。出てくるのは関わりのある零崎のみ。」
家賊が悲しめばそりゃあ兄や姉たちは悲しむ。
けれどそれだけだ。
純血の零崎の弟くんは素知らぬ顔だ。
「それは…」
「私は零崎を恨むやつ、憎むやつに友だちを殺された。まあ恨まれることや憎まれる事なんて沢山やってきたからね。実際、これは兄の言いつけを守らなかった私の落ち度だ。」
「……」
「零崎は人を殺す。疑問を持たずに。人は人を殺さない。同族殺しを、無意識に嫌悪しているから。まあ、例外はいるけど。零崎は人を殺す。殺される覚悟を持って。人は人を殺さない。殺されたくないから。」
クラピカくんは俯いたままなにも言わない。
「零崎は一賊だ。流血によりつながる、人殺しのバケモノ共が集まったのが零崎。裏世界からも嫌悪され、表世界では日向を歩けない。
きみは一族を殺されて、旅団というコミニュティを怨んで殺そうとしている。
理由は知らない。一族と同じような目に合わせてやろうと奮闘しているのか。それとも仇討ちか。
きみは殺される覚悟はできているのかな。私はできていなかったよ。友だちを殺され、遺体となった友だちに死者を侮辱するような行為をされて、私はキレたんだ。
理性も知性も全て吹っ飛ばして、ただ殺して回った。相手もそれなりにできるやつだった。ただの暴れる獣の私を、子供の私をボコボコにするなんて容易いだろうね。案の定、ボコられたよ。痛かったな。死ぬかと思った。先生が助けてくれなきゃ死んでた。」
「殺される、覚悟」
「そう。殺される覚悟。零崎雪織にはできていなかった。勿論、吹雪雪菜にもできていなかった。ああ、吹雪雪菜は前の名前ね。初めは死んでもいいとか考えてた。でもいざ死と直面するととてつもなく怖くなったんだ。ナイフが肋骨を通り抜けて左胸に刺さると想像すると今でも身震いするよ。」
目は元の赤茶色だ。
「私は…」
言いかけて、私は、と再度繰り返すクラピカくん。
「私は、旅団を殺す。ぽっかりと虚空を見つめる同族の目が、無念だと語りかけてくるようで、私は復讐を決意した。」
＿＿＿
勝手な考察、自論入ります
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八凪(プロフ) - 夜桜琴 氷零さん» コメントありがとございます！励みになります！クラピカ落ち希望ありがとうございます！私もクラピカ好きなので検討してみます！ (2019年2月27日 18時) (
レス) id: 46226bed43 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜琴 氷零(プロフ) - とても面白いです。ありがとうございます。クラピカ落ち希望 (2019年2月27日 13時) (レス) id: 9486bc00be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八凪 | 作成日時：2016年11月23日 12時
