#8 -t- ページ8
窓から入る光が眩しくて目を覚ます。
｢んんっ…｣
昨日飲みすぎたせいで頭がマジで痛い。
目を開けるのも辛いが、軽く伸びをして目をこすり開く。
(ここ…俺の部屋じゃなくない？！)
いや待て、思い出せ…。記憶を手繰り寄せる。
昨日は仕事の人と飲み会で少しだけ、少しだけ飲みすぎて友達に家まで送ってもらった。ここまではおぼろげながら覚えている。
ただ、その後俺がどんな行動をとったのかは全く記憶にない。
(この部屋、Aちゃんの部屋だよね…嫌な予感しかしないんだけど…)
状況を理解した俺はAちゃんの部屋を飛び出す。
リビングには朝ごはんを用意しているAちゃんと携帯を見ながらテーブルに座っているはんじょうがいた。
おはようと、とりあえず２人に向かって声をかける。
｢おー、とりっぴぃおはよ｣
師匠は携帯の画面から顔を上げずに返事をする。
Aちゃんはというと…
『？！お、おはようございますっ』
明らかにいつもと反応が違う。
(やばい、これ俺やらかしたかも…)
だとしたら早めに解決しないとまずい。
そう思った俺は
｢Aちゃんちょっといい？！｣
と言って無理やり手を引き俺の部屋へ連れてきた。
…
俺の部屋に入ってから黙ったままのAちゃんになるべく目線を合わせる。
｢あの…マジで申し訳ないんだけど、俺記憶飛んでて…。昨日Aちゃんに何かした…？｣
Aちゃんがしばらくして口を開く。
『私が寝ようと思って部屋に入ったら、私のベッドでとりっぴぃが寝てて…でもそれだけです！』
(これ絶対嘘だよね…)
これは確実に俺は何かやらかしている。でもそういうのをAちゃんの口から言わせるのも、言ってくれても俺自身が聞くのもヤバイよなこれ。
｢俺…まじで記憶ないからほんっっとに申し訳ないんだけど、何かAちゃんが嫌がることしちゃってたらマジでごめん。｣
言ったあと、精一杯の気持ちを込めて深々と頭を下げる。
『そんな、謝んなくていいのに！あと…別に嫌ではなかったし…』
｢え？｣
下げていた頭を上げると、さっきよりも顔を赤くして俯いているAちゃんがいた。
(何これめっちゃかわいい…！)
そんな風に思いながらしばらく見つめていると
『と、とりあえず大丈夫だから！私朝ごはんの準備途中だから行くね！』
と、そのままAちゃんは俺の部屋を出ていった。
｢…あー、これ俺ちょっとやべーかも。｣
そんな俺の独り言が朝の空気に吸い込まれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かすみ(プロフ) - もう更新されないですか？当時から7年くらい経ったんですね。もし良かったらお待ちしています。 (4月5日 4時) (
レス) @page10 id: e53abe021c (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - GENE家族の続き書いてほしいです！！ (2018年3月15日 3時) (レス) id: bbe45bfa04 (このIDを非表示/違反報告)
sion(プロフ) - ナスさん» ありがとうございます！ (2017年8月24日 21時) (レス) id: 397a2c2754 (このIDを非表示/違反報告)
ナス - おもしろいです！応援してます！ (2017年8月24日 4時) (レス) id: 7eb6630bef (このIDを非表示/違反報告)
sion(プロフ) - にの子さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！更新頑張ります！ (2017年8月18日 12時) (レス) id: e37a7295bf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sion | 作成日時：2017年8月9日 0時
