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『体育館、と』
入学式でのイベントは、ヒロインが転んでしまい、それを生徒会長のグルッペンが助ける、と。
メモを今一度確認してから、誰もいない体育館を見渡した。
誰もいないが、入学式の準備は調っていた。
ヒロインの席は、とそれを見つけ出し、足場に簡単な魔法をかける。
ヒロインが、すってんころりんと滑るように、其処の床だけをめちゃくちゃぴかぴかにする魔法。
それから床を全体的に柔らかくする魔法。
柔らかくすると言っても、歩いたり触ったりしても、気付かない程度。
ヒロインの膝に擦り傷ができるのはよろしくないからな。
と、一通り魔法をかけ終わったところで、人が来る前に教室に戻ろうと踵を返す。
門に貼ってあったクラス表によると、私は三組らしい。
「あんた、此処で何してるん？」
『っ』
突然、かけられた声に振り向けば、ステージの上に立つ一人の男。
アシンメトリーな横髪に、特徴的なトルコ帽。細められた緑の瞳は着実に私を捉えていた。
かなり、かなり見覚えがある人間。嫌だよ、一日で二人に気づかれるなんて。
ゾムに続いて、オスマンに気付かれたら。
os「見たとこ新入生やんな？」
『…ぁ、はい』
…もしかして、気づいていない…？
少し、希望が見えた気がして、ホッと心の中で胸を撫で下ろす。
『ごめんなさい、早く来てしまったはいいけれど誰もいなくて、でもじってしていたら緊張が増すだけだったので、学校の中を探検してました』
os「ほーん…成る程な？」
『貴方は…？』
os「俺はオスマン。生徒会なんやけど、入学式の下準備しに来てん」
『あ、お邪魔してしまい申し訳ございません。私、もう戻りますね』
冷や汗をかきながら作り笑いで体育館を出ようとする。
os「“待て”」
『ぴぇっ』
いやぴぇってどんな声だよ、と自分に突っ込みながらぎぎぎとオスマンの方を見る。
“魔力”の込められた言葉、此れはオスマンの特殊魔法。
一定量の魔力がこもった言葉を発せば、相手はその言葉に従わなければならない。
os「どこに逃げるん？Aちゃん♡」
『っ、気付いて…』
os「あは、俺の特技覚えとらんの？」
オスマンの特技。魔法とか関係なく、彼は人の“嘘”を見破るのが得意。成る程、嘘をついていのが見破られたか。
口元を手で隠して笑う、上品なその動作に、どっと汗が噴き出す。
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天天(プロフ) - 好きです… (2022年4月19日 18時) (
レス) id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは - コメント失礼します！え、めっちゃ好きです、、、sypさんのところが、好みです、！ (2022年3月1日 18時) (レス) @page18 id: 083d316892 (このIDを非表示/違反報告)
rrrremi827(プロフ) - うわん！めためたスキです (2021年3月17日 22時) (レス) id: 36b521ff59 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝちゅき...(()ほんま最高ですわ... (2021年3月10日 8時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - こういう系の話ッ！大好物です！！！更新頑張ってください！ (2021年3月8日 23時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むっちゃい | 作成日時：2021年2月21日 10時
