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「いらっしゃーい、って、どうしたの？」
『怪我したんで手当てお願いしてもいいですか』
そう言うと、りょーかい、と返事をして棚から包帯やら薬やらを取り出している男
職員らからは「ぺ神」や「しんぺい神」「しんぺいさん」と呼ばれているこの男は
この会社の数少ないちゃんとした医師だ
この人の場合は少し特殊で人間だけでなく、アブノーマリティの治療もできるらしい
顔を「神」と書かれた布で隠しているこの人は表情が伺えず、言動もふわふわしていて正直苦手だ
だから医務室の世話になりたくないが、今日はそうも言っていられない
「ここ座ってー。」
言われた通り目の前にあった椅子に座る
痛そー、とかあー、とか喋っている彼に適当に相槌を打ちながら治療が終わるのを待つ
「左腕がだいぶヒビが入ってるね、あと足も。まぁ折れてないから動かさなきゃ治るよ」
薬を塗られ包帯を巻かれる
利き手じゃない方でよかった
利き手が封じられると仕事できないし
「はい、終わり。少なくとも2、3日は安静に。仕事はしてもいいけど暴れたりはしないでね。」
『分かりました。」
有難う、と礼を言い医務室から出る
包帯を巻かれた腕が邪魔で仕方がない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2日ほど自室で休ませてもらった
医務室に行ったら足はいいけど腕はまだダメらしく包帯は取れなかった
向かったのは狂犬に、愛を。、シャオロンの収容室
出来るだけ毎日行く約束をしていたがここ数日行けなかったから、怒ってるかもしれない
今のところ収容違反は起こしていないみたいだけど
『失礼します、』
「A？」
シャオロンはこの前のように人形を抱きしめ座っていた
私に気がつくととても嬉しいそうな顔をして抱きつこうとしたが、止まった
いつもなら直ぐに抱きついてくるのに
『、、？どうしたの』
「、、腕、大丈夫なん、？」
私の左腕をジッと見つめながら心配そうに呟く
腕のことを気にして抱きついてこなかったのか
『大丈夫、ありがとう』
抱きしめてあげると嬉しそうに抱きしめ返してきた
『ごめんね、何日も来れなくて、、』
そう言うとふるふると首を振った
「大丈夫、Aが忙しいの知っとるし、それに
今日こうやって来てくれたから」
ギュッと私の手を握り笑うシャオロン
その笑顔が愛おしくて、時間いっぱいまで頭を撫で続けた
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狐火(プロフ) - 続編の方も拝見させて頂きました！更新、楽しみにしてますね！ (2021年7月30日 14時) (
レス) id: a78dc8dbc5 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - 更新楽しみにしてます！ (2021年4月3日 13時) (レス) id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
隠(プロフ) - こちらこの作品の続編となっております。→ https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kouhakuse1/ 良ければ覗いてみてください (2020年12月19日 23時) (レス) id: 03b97d8407 (このIDを非表示/違反報告)
隠 - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kakure12/ この作品の続編となっております。ログインできなくなってしまったので別垢にて更新します。よければ見にきてくださいね。 (2020年6月7日 18時) (レス) id: d2e678ea72 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - あ．．．好きです(唐突な告白)素晴らしい作品ですね...作者様と気が合うかもしれないなぁ... (2020年5月21日 23時) (レス) id: 8d298a3565 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：隠 | 作成日時：2020年1月26日 18時
