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[《O-01-922 狂犬に、愛を。》が脱走した。職員は至急鎮圧を行い対象を収容せよ。繰り返す....]
けたたましいアラートが響く
机の上に置いてある拳銃を取り駆け出す
どうしていきなり脱走なんて、
いち早く向かわなければ
拳銃を握る手に力を込める
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廊下は血塗れで何人もの職員が倒れている
死体は何かで頭を殴られたように頭が損傷している
『ッシャオロン!』
黄色のオーバーオールを赤く染めて佇む彼
部屋に置いてあったシャベルも真っ赤だ
顔を苦しそうに歪め涙を流している
「ッA、おれ、おれ」
ガタガタと震える手でシャベルの柄を握りしめる
「ひとりにせんでよ、なぁ、嫌や。ひとりは、怖いねん。寒くて、寂しくて、怖い、」
『落ち着け!ねぇ収容室に戻って、はやく」
駄目だアイツは正気を失っている
光のない目から止めどなく涙を流しながら叫ぶ
「嫌や!帰らん!俺はもう一人は嫌や、寂しいのは嫌や!A、そばにいてや、お願いやからあいして。」
苦しそうな声
まずい、これは本当にまずい
『それが出来ないから言ってるんだろ、私じゃなくても職員なら沢山いるだろう?!私から頼んでやるから、だから!』
「Aじゃなきゃ駄目やねん!他の奴らはいらへん!Aだけでええねん、言って、くれたやん、そばにいるって、あれは、嘘だったん、?」
シャオロンが叫ぶ
涙を流し血を浴びて叫ぶ彼の姿は狂犬と言っても過言ではない
シャベルを此方に向ける
「、嘘つくなんて、ひどいで、約束やろ、なぁ、一緒に居てや、おれと、ずっと!!」
『っい”、!』
避けられなかった
彼のシャベルが腹に突き刺さる
血が流れる
『シャオロン、落ち着いて、大丈夫だから』
彼を抱き寄せて頭を撫でる
握られたシャベルが床に落ちる
『ごめんね、嘘ついたつもりじゃなかったんだけど、君にはそう感じたんだね、ごめん。』
「ッA、」
シャオロンが床に崩れ落ちる
「AA、おれ、どうしようおれ、ッごめんなさい、嫌やごめ、ッひ、あ おれ、ごめん、」
シャオロンが過呼吸のように泣き出す
正気に戻ったようで、強く手を握られる
やばい血が流れすぎたかも
此方に駆けてくる職員の足音を聞きながら
気を失った
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狐火(プロフ) - 続編の方も拝見させて頂きました!更新、楽しみにしてますね! (2021年7月30日 14時) (レス) id: a78dc8dbc5 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - 更新楽しみにしてます! (2021年4月3日 13時) (レス) id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
隠(プロフ) - こちらこの作品の続編となっております。→ https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kouhakuse1/ 良ければ覗いてみてください (2020年12月19日 23時) (レス) id: 03b97d8407 (このIDを非表示/違反報告)
隠 - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kakure12/ この作品の続編となっております。ログインできなくなってしまったので別垢にて更新します。よければ見にきてくださいね。 (2020年6月7日 18時) (レス) id: d2e678ea72 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - あ...好きです(唐突な告白)素晴らしい作品ですね...作者様と気が合うかもしれないなぁ... (2020年5月21日 23時) (レス) id: 8d298a3565 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:隠 | 作成日時:2020年1月26日 18時