54.−YG side− ページ6
Aが寝ていることを考えて、そっとリビングの扉を開けた。
どうやら完全に停電みたいでスマホのライトで周りを照らさないと本当に何も見えない。
音を立てずにリビングに入ると、丁度ソファがある位置、部屋の一番奥の方で苦しそうな息遣いが聞こえてきた。
A「はぁ…ｯ…け…て…」
異常な事態を察して声がする方にライトを当てると、ソファの上で膝を抱えながら苦しそうに丸まるAがいた
「A…？ おいっ！大丈夫かっ？」
すぐに近づいてAの肩に手をかけると、ビクッと体を震わせて手を払われた
叩かれた手の甲がジンジンと痛む
A「はぁｯ…ごめ…なさ…いい…こ……するからｯ…なぐら…でｯ」
「おい！落ち着けって！！」
Aはまるで氷漬けされたみたいにガタガタと震えている
涙がボロボロと流れている目は虚ろで、現実を見ているのか夢を見ているのかも分からないような瞳だった
途切れ途切れに出る言葉だがしっかりと聞き取れた。
" ごめんなさい いいこにするから なぐらないで "
一体お前に何があったんだ
一瞬息が吸えなくなるほど胸が締め付けられて自然とAに手を伸ばす
A「やめｯ……」
嫌がるAを無理やり引き寄せて抱きしめた
「大丈夫。俺だよ。」
A「はぁ…ｯ…はぁ…ユン…ギ…さん…？」
やっとこっち見たな。
俺は背中を擦りながら、自分が出せる精一杯の優しい声でなんの根拠もない" 大丈夫 "を何度も言い続けた
「大丈夫。俺がついてるから」
そう言うと、縋るようにAの手が俺の服をギュッと掴んだ
「！」
何だかその手から服を通してAの鼓動と体温が伝わってくるようだった。
スマホのライトで辺りが明るくなったからか、Aは少しずつ落ち着きを取り戻しているようだ。
A「すみません…ユンギさん。」
腕の中に収まりながら謝るAは泣いていて、瞳から零れる涙がライトに反射して綺麗に光っている
俺はその涙を見た瞬間、どんな犠牲を払ってでもこいつを守ってやりたいと思った。
そして今まで目にしたものの中で一番尊いとも思えた。
どうやら男とか女とかそんなことどうでもよくなるくらいに深く落ちてしまったらしい
それでも尚まだ落ちていく気分だ
深く深く
沈んでいく
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夜子(プロフ) - うらんさん» ありがとうございます(;;) (2020年1月31日 8時) (
レス) id: 949c7ed34a (このIDを非表示/違反報告)
夜子(プロフ) - fumakenloveさん» ありがとうございます(;;)更新遅くなり申し訳ありません。もう少々お待ちくださいませ(><) (2020年1月31日 8時) (レス) id: 949c7ed34a (このIDを非表示/違反報告)
うらん(プロフ) - 更新楽しみに待っています。 (2020年1月25日 12時) (レス) id: 13b2fb3d4c (このIDを非表示/違反報告)
fumakenlove(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！忙しいとは思いますが頑張ってください！応援してます！ (2020年1月21日 13時) (レス) id: 239b70ca1d (このIDを非表示/違反報告)
夜子(プロフ) - ぽこにゃんさん» ありがとうございます(;;) 更新しましたらまた遊びに来てくださいませ^^ (2019年11月19日 0時) (レス) id: 949c7ed34a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜子 | 作成日時：2019年9月2日 10時
