大鷲達の最後の愛物語 (ページ48)

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愛しき王ページ48

シエルside

僕はDayの服をくわえる
その傷でまた大鷲にあったらどうする気だ
僕は行かすつもりはない

そのままDayをくわえて洞窟のような場所に入る
その中は青く発色する泉があった
そこに体を浸けるとみるみるうちに傷が治っていく
Dayもそこに浸ける

僕は人型に戻りあたりを見渡す
玉座のような場所がある
その回りには沢山の樽と魚
お供えものなのか沢山積まれている

食い荒らした形跡はなかった
玉座に手を触れると不思議なことに過去の幼い記憶が甦った
まだ自我も芽生えてない頃の僕

母は美しい真珠のような色をしており
父は大鷲達の王様だった
僕は純血の大鷲
そして次期王だったのだ

しかし父と母は殺された
育ての親の手によって
僕はそこで育てられたて自我を持ったんだ

あれ…父さん達の声って…どんなのだっけ
体が怖くて震える
そうだここで死んだ人は皆
その記憶が薄れていくんだ…

嫌だ僕は忘れたくない！
ただそれを願った
『…それならそうしましょう』
声が聞こえた

その声の主は
シ「…アズリエル姉さん？」
アズリエル僕の姉だった人だ
アズ『ではこれを額にあてなさい』

それは小さな箱
アズ『その箱には私の記憶が詰まっています
一生色褪せることはないでしょう』
僕はその箱を額にあてた

シ「う…うああぁぁあああああぁぁぁぁあ！！」
僕は泣き叫んだ
アイ僕はお前のこと許さない

僕はもう操り人形じゃないんだ
心から笑って泣ける
僕は…

大鷲だ