Ｓ 第二話 ページ3
ザワワワ…と、海の波の音が聞こえる。
さっき、車のブレーキの音が耳に入っていた。
けれど、今は海の波の音…もしかして、私は死んだのだろうか？
ゆっくり目を開けると、私の好きな空。
起き上がると、海がある。
…ここは天国ですか？
『あーあ、死んじゃったか』
魂とか、そういうものになるんじゃないかって思ってたけど、
天国でもこんな感じなのかな？
ちょっと怠いけど重い身体で起き上り
制服についた砂を振り落す。
靴も履いてある。リュックも背中にあった。
持ってないものは、レジ袋だ…、最新刊読みたかったなあ。
涼しい風が吹いた。
また空を見上げた。
綺麗…なはずだった。
『…え、え？』
何かが飛んでいる。
鳥かもしれない、普通なら。
だけど、大きさがとてつもなく大きくて驚きを隠せない。
砂浜なために、慣れない足だから転んでしまった。
こ、ここはどこだ…。
天国にしては怖い生き物がいるもんだって…いやいや知らないし天国。
んじゃあ、何だろう、あの生き物は？
そう考えていると、呻き声が聞こえてきて
ちょっと体が震える。
数秒後に、大きな音がして海から、本当に大きな魚みたいな生き物がでてきた。
ここはどこなんですかー！？何なんですかー！？って叫びたい、いや叫ぼう。
『ここはどこなんですかああ！？何なんですかああああ！？』
誰もいない砂浜で女一人叫んでるって誰かが見たらきっと笑われる。
なんだ、こいつ頭大丈夫かって…。
ってそう思っているうちに魚は私を追いかけてきた。
『いやいやいやいや、ここ陸だよ！？何で魚が陸へ上がってくねくね
動けるの！？可笑しいんだけどおお！』
ちょっと邪魔だけど大切なリュックを背負って私は無我夢中に走る。
もし、逃げていなければ私は本当に死んでしまう。
きっとここは天国じゃない。
どこかは…わからないけど。
走っているうちに、体力は消耗。
スピードが落ちてゆき、魚との距離が縮まる。
そして私はこんなときに駄目なんだ、運がない。
砂浜だし、慣れてないし、転んじゃったじゃん！
『ぬおおおおお！』
起き上がってまた走ろうとしたら、
魚との距離はもうそんなになくて、死んでも可笑しくなかった。
なら、いいや。
立ち止まって振り返る。
大きな口が私を飲み込むんだろうなあ…。
私は意識をここで失った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪７(プロフ) - コメント返し遅れてすみません！トミー可愛くなれたか不安だったのですが、安心安心（ (2013年11月18日 19時) (
レス) id: 33d1705a7e (このIDを非表示/違反報告)
沙也加(プロフ) - トミー可愛いな(￣▽￣) (2013年11月4日 18時) (レス) id: 402e711999 (このIDを非表示/違反報告)
トミー - トミーちゃん可愛いっす(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ (2013年11月4日 14時) (レス) id: cd3f515314 (このIDを非表示/違反報告)
トミー - 30話おめでとうございます！ (2013年10月26日 17時) (レス) id: cd3f515314 (このIDを非表示/違反報告)
沙也加(プロフ) - アカンアカン！！トミー様危険！？来るなぁーをエコーで言いたいきぶんたよf^_^;) (2013年10月25日 23時) (レス) id: 402e711999 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪７ | 作成日時：2013年9月11日 17時
