18.クラウディア ページ19
レ)「なぜ…!お嬢様が行方不明である件は、当家の機密情報ですぞ…!?;」
ア)「落ち着けレオ」
セ)「“人の口に戸は立てられない”とはよく言ったものです((ｸｽｯ」
レ)「何?」
セ)「単純なお話…。昨日のうちに、近隣の方々に聴き込みを行っただけのことですよ。人間は基本、よく喋る生き物ですからね」
シ)「秘密情報部ほどではないが、奴もこういうことはそこそこ得意な口だ((ｸｽｯ」
セ)「アンダーテイカーさんからの情報では、お引き取りしたAさんの傷は5日ほど前のものだったそうです」
シ)「彼女が貴殿宅の地下にいたと言うことは、クラウディア嬢は11人目の被害者と見て良いだろう」
ア)「11人目…」
セ)「僭越ながら、私が被害者リストを作成させて頂きました」
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オールチャーチ家…アデル(4)
アリオットセン家…イーニアス(6)
エイムズ家…………アラーナ(5)
ベイリー家…………バーバラ(3)
バークワース家……アシュレイ(6)
キャリック家………シェリー(12)
ディンズデール家…アル(7)
ユーステス家………レニー(8)
ファルコナー家……ブレンダ(4)
ゴルボーン家………ベティーナ(10)
マッケンジー家……クラウディア(6)
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ア)「クラウディア…」
娘の名前を呟くアダムは、家の当主ではなく、一人の父親の顔だった。
シ)「陛下は犠牲になった子供たちも含め、彼女たちのことを大変憂いておいでだ」
ア)「それで貴方が…。なるほど」
シ)「Aは貴重な事件の関係者だ」
そう言って、僕は生憎、と視線を落とす。
シ)「記憶を失っていたが…」
ア)「記憶を?」
シ)「ああ、事件の前後どころか、自分の名前以外は思い出せないらしい」
ア)「それではあの子を庇うことに意味などないでしょう?」
少しだけ嘲笑うようにアダムは言った。
ア)「悪いことは言いません。Aを僕に渡してください。そしてこの事件は、ヤードに譲っては如何ですか?
彼らの顔を立てるのも、番犬の立派な仕事でしょう?」
シ)「悪いが任務として僕に命令が下った以上、それはできない。
Aの記憶も、事件直後の一時的なショック状態というだけなら、回復する見込みはある」
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