1.changing騒動 ページ2
────19世紀英国…
ヴィクトリア女王が治めるこの国を
騒然とさせる事件が起こりました
それは今からちょうど数週間前…
11月も終わりに差し掛かった初冬
クリスマスをひかえ浮き足立つ頃のこと
…ロンドンの街屋敷で早めの休暇を楽しむ貴族、
オールチャーチ家のご子息…アンソニー様(11)が
突如、忽然と姿を消しました
朝、いつも通り執事が彼のお部屋へ行ったところ
既に部屋は裳抜けのから…
荒らされた痕跡もなければ誰かが侵入した形跡も
なく、ただアンソニー様だけが消えていました
しかし、代わりに部屋に今までなかったものが
残されていました
それは
子供(孤児)の死体
夫妻はすぐにヤードに通報したそうですが
その後も立て続けに似たような事件が
ロンドンで発生しています
アリオットセン家…
エイムズ家…
ベイリー家…
バークワース家…
キャリック家…
いずれも貴族の家ばかりを狙い
その家のご令嬢、ご子息が消え、代わりに
貧しい子供の死体が置かれている…
“我が子が消え 見ず知らずの子供がいる”
この奇妙な事件を人々はこう呼びます
────────────────────
シエル)「＜取り替え子事件＞…か」
セバスチャン)「はい」
執事、セバスチャン・ミカエリスは静かに頷く
王室の印が入った手紙を読みながら、目の前の
椅子に座る13歳の主…シエル・ファントムハイヴ
と話を続けた
セ)「女王陛下は消えた子供たちのことを心配し憂いておられるそうです」
シ)「だろうな…ヤードは何か?」
セ)「いえ、悪質な事件として全力で捜査をしているそうですが…なにも」
シ)「案の定か」
シエルがため息をつく
シ)「ヤードが何も嗅ぎ付けられないのは連中の無能さだけではない…。拐われている以上、人身売買などの裏ルートに流された可能性も否めないからな。
表でしか動けない奴ら(ヤード)が手を出せない場所にいってしまったのだとすれば僕の出番だ((ｸｽｯ
セバスチャン 行くぞ」
セ)「どちらへ?」
シ)「アンダーテイカーの店だ。
死体が上がっているかもしれない」
セ)「すぐに馬車を」
シ)「ん」
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