【鬼滅の刃】百舌鳥の鳴く夜

猪と梟 ページ19

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大きな満月が山を照らす、月光を背に跳び上がると見えてくる那田蜘蛛山


『鳥の呼吸＿＿参ノ翔・空間識聴覚』


空気の振動、耳を済ませると感じる鬼の気配と一人の隊員の今にも止まりそうな息遣い


『あそこか』


急降下した先に見えるのは、自分よりも何倍も大きな体躯の蜘蛛頭の鬼に頚椎を握り潰される直前の猪頭･･･？

抜刀し、そのまま鬼の腕を断ち斬ると「ギャウ」と鬼が叫んだ



＿＿＿


ーー伊之助side


誰だ･･･何だ？斬ったのか？アイツが？女？


斬られた腕を鬼は一瞬で回復して、女に向かった。速エッ･･･目で追うのがやっとだ


『鳥の呼吸＿＿肆ノ翔・鴟梟(しきょう)』


女が消えた･･･！？音も空気の振動すら感じない！なのに･･･鬼の四肢、腹、首がバラバラと崩れた。


＿＿まるで梟(ふくろう)だ･･･羽音もさせずに飛び、目にも止まらぬ速さで獲物を確実に狩る。梟は森の暗殺者と呼ばれる


すげぇ、格が違う。一太刀の威力が違う。天地ほど差がある･･･あの硬い化け物を豆腐みたいに斬っちまった

すげぇ、すげぇ、すげぇ！！何だコイツ！！
女のクセに、わくわくが止まらねぇぞオイ！！


「俺と戦え梟女！！」

『･･･』

「あの十二鬼月にお前は勝った！そのお前に勝てば
⠀一番強いのは俺って寸法だ！！」


『･･･不死川さん系だ』


「何だ！！聞こえねぇよ！！」


『今のは十二鬼月でも何でもない
⠀分かるようになってから出直して』

「わかってるわ！！十二鬼月とか言ってたのは
⠀炭治郎だからな！！」

『･･･！』

「俺はそれをそのまま言っただけだからーー･･･な」


！？！？ーー何だこれ、縛られてる！？速ェ･･･速ェコイツ！！


「ってオイ！！待てコラ！！」


『自分の怪我の程度くらい把握しなね』


ホワホワ･･･ーー！！


「コラッ！！縛っておいてホワホワさせんじゃねぇ！！」


･･･歩くのも速ェんだよ！！



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