3 ページ3
その言葉は、妙に、はっきりと聞こえた
「まっ、そーなんのもしょーがないっしょ!!だって〜」
寂雷、独歩も一二三の声に耳を傾けていたのだ
だってに続く言葉を期待していたのだ
後から思えばその時点で雲行きは怪しかったのだが、酔っている六月には察することができない
ただでさえ機嫌が良い時に、まさかあんな爆弾が投下されるとは夢にも思わなかったのだ
「ムッちゃん、スマホのホーム画面」
呆けた表情に影が差す
しかし、時すでに遅し
それは
六月にとって命より大切な秘密だった
バレたら死ぬ
社会的に
そう確信するレベルの2大シークレットの片割れだった
だからこそ今まで厳重に管理してきた…ハズだった
秘密というものは、案外あっさりバレるものですね
ちなみにその秘密というのは
「寂雷センセーにするくらいだもんなっ!!」
そう
六月…否、
満開の桜を背景に撮った(盗撮した)神宮寺寂雷の写真なのである
_突如、ガチャンという甲高い音
月貴の肘に当たって、グラスが倒れたのだ
「……」
色々と唐突過ぎてついて行けない脳みそ
小麦色の液がしゅわしゅわとテーブルを侵食するさまを呆然と眺めていた
「おい馬鹿一二三いぃぃぃ!!!」
独歩の声で、その場の時が一斉に動き出した
「…えっ……それは…」
「__へ?な、んで…一二三が…それ…」
「前にたまたま見えちった!」
「あっ…そう…」
「ちょっ月貴!!ズボンに零れる!!」
茫然と座っていた
腕をぐいと掴まれ、徐に立ち上がる
すると先程まで座っていた場所にぼたぼたとビールが滴り落ちた
…マテマテマテ?
えっ今えっ?
つまり、今バレた
俺の
秘密
殆ど放心状態で顔を上げると
今顔を合わせたくない相手と、目が合う
「…六月君」
その怪訝な表情には見覚えがあったのだ
抹消したはずの記憶の残滓
ああ、俺死んだ
体に熱が帰ってくる
気が付けば
俺は店を飛び出していた
もう一つの秘密
そう
俺は、ゲイだ
123人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Last(プロフ) - いおさん» ありがとうございます。詩的な表現に気を遣っていたのですが、そう言っていただけてとてもうれしいです。完結までよろしくお願いします。 (2019年6月1日 21時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 素晴らしすぎる作品ですね…!続きが気になり過ぎて堪らないです!!文章も綺麗で、何から何まで素敵な作品です…!!これからも頑張ってください…!! (2019年5月28日 23時) (レス) id: 1d7aa46e15 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 彩華さん» ありがとうございます。お話も割と終盤ですが今後も楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年5月26日 15時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - しんどい…好き…めっちゃ心抉られるくらいキュンときます…俺的にはどストライクすぎます。作者さん好きです() (2019年5月25日 0時) (レス) id: 3d53cc1cd6 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 腐女神さん» ありがとうございます。完結まであとわずかですが今後とも気長に待っていただけると幸いです。 (2019年5月19日 2時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Last | 作成日時:2019年4月27日 1時