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「ム〜ッちゃん！」
「ッだ…一二三…掃除中に突っ込んでくるな！！さっさと帰れ」
一二三はいつもこうやって掃除中に抱き着いてくる
仕事中は…ホストモードのため私語をしなければ、そんな暇もない
「センセーと映画！どうだった？」
「っふ、楽しかったに決まってんだろ！たまにビビる先生がもう最っ高に…何で知ってんの」
「へへへ」
「え、怖い怖いなんで知ってんだよ！！」
「ちなみに独歩も知ってる」
「…っはあ？」
問い詰めても一二三は意味深に笑うだけ
後で独歩を絞める必要がありそうだ
「性的マイノリティってやつ？別に気にしねーけどな」
「…一二三」
「とにかくっ！俺と独歩は六月を応援するって決めたの！だからさ」
「なんかあったら無理しねえで言えよ、マブダチだろ？」
一二三がイケメンに見える
…けど、マブダチは割と死語じゃないか？
＿
今日彼を家に呼んだのは他でもない
料理を教わるためだ
まず基本のカレーから、といって具材を用意してくれた彼は案外乗り気だ
が
「先生、煮込み甘いです」
「はい」
「先生、ルーを入れる時は弱火！」
「は、はい」
「アクはしっかりとらないとエグくなります！！」
「すみません…」
普段の物腰と違って
料理に関してはかなりスパルタだ
どちらが先生かわからない
「…うん」
その分絶品なのだけれど
そしてプライベートと仕事終わりのホストモードは顔立ちが違って見える
白い肌はいつも通り
前髪はアップバンクで爽やか
笑顔が映える
「先生、お口に合いませんか…？」
「いや、とても美味しいよ」
「…良かった」
安心を満面に湛えた表情は無防備
大分慣れてきたようだ
けれど気になることがある
「六月君、プライベートで『先生』は…」
「え、でもこれが一番しっくり…」
「私はもう君の先生ではなくて、恋人なのだけれど」
先程まで私を叱っていた口をポカンと開け
目を伏せて顔を逸らす
耳まで真っ赤
純粋そのものの反応
小動物のようで
思わず
…私は今何を考えた？
「じゃあ、じっ神宮寺さん」
ああそうか、揶揄いたいだけだ
いつもみたいに
からかって
少しムッとする彼を見たいだけだ
「寂雷、とは呼んでくれないのかな」
最初に家に呼んだ日以来だ
彼の腰を抱いて、
コツンと額を彼の頭に当てる
「…先生も、いつも源氏名で呼ぶのに」
「ふふ、君が名前で呼んでくれたら、ね」
そんな顔をしないでくれ
そんなに、辛そうな顔
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Last(プロフ) - いおさん» ありがとうございます。詩的な表現に気を遣っていたのですが、そう言っていただけてとてもうれしいです。完結までよろしくお願いします。 (2019年6月1日 21時) (
レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 素晴らしすぎる作品ですね…!続きが気になり過ぎて堪らないです!!文章も綺麗で、何から何まで素敵な作品です…!!これからも頑張ってください…!! (2019年5月28日 23時) (レス) id: 1d7aa46e15 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 彩華さん» ありがとうございます。お話も割と終盤ですが今後も楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年5月26日 15時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - しんどい…好き…めっちゃ心抉られるくらいキュンときます…俺的にはどストライクすぎます。作者さん好きです（） (2019年5月25日 0時) (レス) id: 3d53cc1cd6 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 腐女神さん» ありがとうございます。完結まであとわずかですが今後とも気長に待っていただけると幸いです。 (2019年5月19日 2時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Last | 作成日時：2019年4月27日 1時
