黒い三日月と三つの条件【三日月宗近】

１８話 ページ22

三日月「だから、撤退させろと言ったのだ」

審神者「黙れ！！！お前らが負けたせいで、俺は優秀な『審神者』じゃなくなったんだ！！一度の敗北で信頼や評価はすべて消えた！！！」

三日月「俺は撤退させろと忠告した
それを聞かなかったのは主ではないか。
負けたのはあいつらのせいではない。あいつらは立派に戦った」

審神者「何が立派に戦っただ！！負けては意味がない！！！お前らの死に様などどうでもいい！！！大事なのは俺の地位だ！！！」

その言葉を聞き

俺の中で何かが切れた

三日月「ふざけるな
お前の地位のために、アイツは消えたのか！？あの馬鹿みたいにいつも笑っていて、お人好しで能天気なアイツは！！」

そんなくだらないもののために

あいつは

みんなで茶を飲みたいなんて

些細な願いさえも叶えられなかったというのか！？

三日月「もういい

お前はもう要らない」

ｻﾞｼｭ

俺は審神者の首を斬った

あまり気分がいいものではないな

出来れば

もう人は斬りたくない

三日月「また、審神者に呼び起こされることがあるなら

みんなで茶が飲めるような所に

行きたいな｣

俺はそっと目を閉じ

そのまま眠った









・






長い月日が流れ

俺はまた呼び起こされた

俺を呼んだ審神者を見ると

小さな小娘であった

どうやら初めての鍛刀で俺を呼んでしまったらしい

馬鹿な奴だ

それになんだコイツは

オドオドしてて

とても審神者には見えない

とんだ出来損ないだな

コイツの元でなら

アイツが叶えられなかった

願いを叶えることが出来るかもしれない

俺は、三つの条件を約束させ

この葵Aという女に仕えることにした

・俺を近侍にすること

それは、この女が間違いを侵さないように見張るため

・俺の言うことに逆らわないこと

できるなら、俺だって人は殺したくない

この女を殺さないで済むようにするには

俺に逆らわせないようにするしかない

・条件のことを誰にも話さない

刀に脅されている審神者なんて

きっと政府に見捨てられる

そしたら、こいつは居場所を失ってしまう

三日月「これからよろしく頼むぞ、我が主」

アイツが見たらきっと笑うのだろうな

こんな何の変哲もない『審神者』として出来損ないの小娘に

俺が仕えていることに。

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