黒い三日月と三つの条件【三日月宗近】

１７話 ページ21

Aの三日月宗近を

三日月「〜〜」

違う三日月宗近を

『〜〜』と表記します
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〜回想〜

三日月side

ある日

もう一振りの三日月宗近がやってきた

ソイツはとても脳天気な奴で

本当に自分と同じ刀なのかと疑うほどであった

『なぁ、俺よ。

何故ここの刀達は皆、死んでいるのだ？』

三日月「死んでなどおらんだろ。

部屋で出陣命令を待っているではないか。」

『そういうことを言っているのではない。

心が死んでいると言っているのだ』

三日月「心？

もう１人の俺はおかしな事を言う。

我ら刀に心など、元からない」

俺はコイツの言っている意味が分からなかった

それに、おかしくもないのに

常に笑っていた

そんなもの必要ないのに

俺はソイツの笑顔が苦手だった

『なぁ、お前はなにかしてみたいと思うことはないのか？三日月宗近としてではなく、お前個人としてな』

三日月「……」

答えられなかった

俺個人としての欲求など

求めたことがない

三日月「そういうお前は

あるのか？」

もう１人の俺は

得意げに笑い

『あるぞ』

と答えた

『ここでのんびり、ここの刀達とお茶を飲むことだ』

あまりにも幼稚な答えに

拍子抜けして

俺は

三日月「…っ……はっはっはっ
なんだ、それは。能天気にも程がある…はっはっはっ」

初めて

声を上げて笑った

『なんだ、お前もそんな顔ができるのか』

三日月「…っ…お前といると、調子が狂う」

だが、コイツといると心地が良いのもまた事実だった









・





ある日

もう１人の三日月の率いる軍で

負傷者が出たらしい

しかし

審神者は

審神者「いや、そのまま行けば勝てる。前へ進め」

三日月「主や、ここは撤退するべきだ」

審神者は、部屋の中から命令をしている

軍が今どのようになっているのか

よく分かってないだけだと俺は思った

だから

俺からも

撤退するべきだと審神者に告げた

審神者「うるさい。お前は黙っていろ！」

三日月「だが、もし負けたらどうするのだ。
無駄な戦いになるではないか。
悪いことは言わん。
撤退をさせろ」

俺はもう一度

撤退をするべきだと忠告した

が審神者はその忠告を無視して

進軍させた

結果はボロ負け

戻ってきた刀は誰1人いなかった

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