・ ページ10
________
頑張って、と背中を押され、本当に朝イチで家に来てしまった。
まだ8時だし寝てるかな。
それともやっぱり……、
怒ってるよね。
別れる、とか距離置く、とか言われちゃうのかな。
そう思いながらバックから鍵を出して、
重くなかなか動かない手を動かして、ゆっくりドアを開ける。
中に入ると、ガチャガチャと音がして、何となく味噌汁の匂いがする。
きっと閑也はキッチンにいる。
ドアを閉めて、靴を脱いだあとリビングに行けば、
いつも通り朝ごはんを作ってる閑也がいた。
「朝ごはん、いる?」
『い、いる。』
「ん、了解。」
そう言って普通に料理を2人分、盛り付け始めた。
怒って、ない?
いつも通りすぎて逆にどうすればいいか分からない。
それに、昨日あんなことを言った上に飛び出してったのに、むしろ優しい顔で迎えてくれた閑也の優しさに胸が痛んだ。
少しすると、机には向かい合って置かれた朝食。
準備が終わって閑也が席に座る前に、
あの、と少し他人行儀に声を出した。
『昨日は、ごめんなさい。
謝ってくれたのに、さらに私が酷いこと言って、こんなことになって。
私の考えがこどもだった。
本当にごめん。』
もう何を言われるかが怖くて、顔が上げられない。
894人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「TravisJapan」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:菜緒 | 作成日時:2020年11月22日 15時