同棲彼氏＃Travis Japan 愛惜編 (ページ28)

今日:5 hit、昨日:6 hit、合計:111,466 hit

・ページ28

｢そんなに可愛い顔、しないの。｣

『可愛い顔？なに、それ？』

｢ふふ、分かんないくらい眠いの？｣

どうやら私は本当に眠いみたい。

可愛い顔？そんなの龍也くんじゃん。

…なんていう思考回路しかなかった私には、何も理解が出来なかった。

｢よしっ、今日は特別だよ。｣

そう言うと、私の膝裏に手を入れ、身体がふわっと浮いた。

揺れて不安定な体を支えるために首にギュッて腕を回したら、いつもの龍也くんの匂いがしてキュンとする。

目をみたら、ん？って優しく聞かれて思わず目を逸らした。

『……今日の龍也くん、なんかちがう。』

｢えぇ？｣

『…甘えたくなっちゃう。』

そういったものの、恥ずかしくて首筋に顔を埋めたら、はぁと1つため息をついて、私をベッドに優しく下ろしてくれた。

そのままスルッと抜けた手はいつの間にか包み込むように顔に添えられていて、逃げようにも逃げられない。

｢俺、Aの方が違いすぎてドキドキしてるよ？｣

『……へ、？』

｢急に甘えたになるし。
しかも目がとろーんってしてるの、自覚ないし。

…狼はそういうの、食べたくなっちゃうの。｣

狼なんて、どこに…と思ったら、耳朶を甘く噛まれた、痺れた感覚が襲う。

脳が急速に回転するけど、目をぱちぱちとすることしか出来ない。

顔を起こした龍也くんと目が合う。
その目には天使の要素などどこにもない。

｢おやすみ。｣

チュッと啄むようなキスをして、頭を優しく撫でると、龍也くんは寝室から出ていった。

『お、おおかみ……。』

うずうずする感覚は初めてで、この気持ちをどうすればいいか分からない。

今夜は狼くんのせいで、眠れません。

　